遼寧省、2023年の重点事業計画を公布

(中国)

大連発

2023年01月25日

中国遼寧省の李楽成省長は1月12日、2023年遼寧省政府活動報告を行った。その中で2022年の一部の経済指標を公開するとともに、2023年の重点事業計画と今後5年間の主要目標と任務を示した。

経済指標については、同省の2022年の域内総生産(GRP)は前年比2.1%増、固定資産投資額は3.6%増で、ともに中国全体の伸び(それぞれ3.0%増、5.1%増)を下回った。一方、消費者物価指数(CPI)上昇率は2.0%で、中国全体と同水準となった。2023年のGRP成長率目標は5%以上と設定した。

2023年の重点事業計画として、10の計画を策定した(添付資料表1参照)。計画の1つにデジタル化・スマート化の建設推進を掲げているが、製造業関連では航空装備、船舶・海洋エンジニアリング装備、デジタル制御工作機械など12の優位性のある産業クラスターと、新エネルギー自動車、バイオ医薬、省エネ環境保全など10の戦略的新興産業クラスターをさらに発展させる。

ハイレベルな対外開放の拡大も掲げているが、貿易投資のプラットフォームのさらなる整備のため、瀋陽の中欧班列(注1)集積センターと大連沿海集積センターの建設を加速させる。また、開発区と保税区で質の高い外資集積を図るモデル区を建設する。さらに、区域間の協調的な発展に関する新しい枠組みの構築を図るとしているが、大連市と営口市の両港湾都市を国家物流拠点としてさらに発展させる。

今後5年間の発展目標では、「遼寧省第14次5カ年(2021~2025年)規画」内で確定した目標の全面的な実現(2022年3月8日記事参照)、科学技術の自主開発能力の明らかな向上、国家安全維持能力の明らかな向上、1都市圏1経済ベルト2区域(注2)建設の進展、国家重大戦略への貢献と2035年の現代化の基本的な実現のための基盤づくりなどを掲げた。加えて、「現代化産業体系の建設、質の高い発展の促進」「内需拡大戦略の実施、国家の5大(国防・穀物・生態・エネルギー・産業)安全保障の擁護」などといった6つの任務を策定した(添付資料表2参照)。

(注1)中国と欧州や「一帯一路」沿線国を結ぶ国際貨物列車

(注2)1都市圏とは瀋陽現代化都市圏、1経済ベルトとは遼寧沿海経済圏、2区域とは遼寧西部京津冀協同発展戦略(北京市・天津市・河北省エリアの一体化を通じた発展)先導区と遼寧東部グリーン経済区を指す。遼寧省政府が2020年11月、共産党遼寧省委員会第12期第14回全体会議で初めて提出した発展構想で、2022年2月に関連発展3年間行動プランを公布し、具体的な発展スケジュールを確定した。

(李穎)

(中国)

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