日米2プラス2、宇宙領域での防衛・協力深化に合意

(米国、日本)

米州課

2023年01月17日

日米首脳会談(2023116日記事参照)に先立つ111日、米国ワシントンで日米安全保障協議委員会(日米2プラス2)が開催された。日本側からは林芳正外相および浜田靖一防衛相、米国側からはアントニー・ブリンケン国務長官およびロイド・オースティン国防長官が参加した。

会合後に発表された共同声明〔外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます日(仮訳)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)〕では、日米同盟が地域の平和、安全および繁栄の礎とした上で、自由で開かれたインド太平洋地域を擁護するとの日米両国のコミットメントを強調した。経済安全保障上の課題として中国、北朝鮮、ロシアの地域情勢に触れ、いかなる力による一方的な現状変更にも反対するとした。また、日米両国の国家安全保障戦略および国家防衛戦略の公表を歓迎した上で、戦略に従って抑止力を強化および地域情勢に対処するため、同盟関係の現代化に向けた両国間の協議を加速させるとした。具体的には、宇宙・サイバー領域で、宇宙からのまたは宇宙における攻撃について、米国の日本防衛義務について定めた日米安全保障条約第5条の発動につながることがあり得ることを確認したほか、高度化・常続化するサイバー上の脅威に対抗するため、日米両国が協力を強化することで一致した。

宇宙分野では、その研究開発においても協力関係の深化が示され、113日に林外相およびブリンケン国務長官が「日・米宇宙協力に関する枠組み協定」に署名した。同協定は、日米両国が平和的目的のための宇宙協力を行う際の基本事項を定めるもので、米国航空宇宙局NASAの発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、両国は、月を含む宇宙科学、地球科学、月での運用・探査を含む宇宙運用・探査、航空科学・技術、宇宙技術、宇宙輸送、安全・ミッション保証、そのほかの関連機会について協力する予定とした。また、NASAは、日米両国が宇宙領域のあらゆる分野での協力を強化するため、20233月に「宇宙に関する包括的対話」を開催する予定と明らかにした。

署名式に参加した岸田文雄首相は「協定により日米宇宙協力が力強く推進されるとともに、これまでになく強固になっている日米同盟の協力分野が一層広がることを強く期待する」と述べた。また、ブリンケン国務長官は「宇宙の未来は協力の上に築かれる」「この協定により、日米両国は宇宙と地上でのパートナーシップを強化することができた。われわれはさらに遠くへ行き、多くをともに学んでいくことになる」と述べた。

(葛西泰介)

(米国、日本)

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