経済複雑性ランキングで世界19位に上昇、研究・イノベーション・デジタル化相がアピール

(ルーマニア)

ブカレスト発

2023年01月23日

米国ハーバード大学の経済複雑性アトラス(The Atlas of Economic Complexity)調査外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、ルーマニアの2020年の経済複雑性指数(Economic Complexity Index:ECI)が1.27と世界19位にランク外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますされている。この旨、セバスティアン・イオアン・ブルドゥージャ(Sebastian-Ioan BURDUJA)研究・イノベーション・デジタル化相(注)が1月10日、大手メディア(DIGI24外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)に年頭所感として寄稿した記事で引用した。

ECIは、輸出構成の多様性や複雑性に基づいて算出されている。複雑で専門的な生産ノウハウを多様に有する国は、多様で洗練された製品の生産が可能だ。複雑性がその国の所得水準予測を超える場合、その国は高い成長を遂げると予測される(ハーバード大学による定義)。

ルーマニアは2001年に39位だったが、EUに加盟した2007年に28位、10年後の2017年に24位と順位を上げ、その3年後の2020年に19位まで上昇した。

同調査によると、ICT(情報通信技術)産業がルーマニアの輸出に大きく貢献しており、純輸出額全体の20.4%を占め、輸送 (12.1%)と自動車(6.6%)が続いている。研究・イノベーション・デジタル化省は、EU基金のPNRR(国家復興・レジリエンス計画)(2021年6月17日記事参照)を活用して電子政府など全経済セクターでデジタルトランスフォーメーション(DX)を進めている。同調査によれば、農業では効率化技術導入と市場開放により、農産物の総輸出額が2010 年の57億ドルから2020年に100億ドルへほぼ倍増したと、DIGI24でブルドゥージャ氏は述べた。

同氏はこのほか、ルーマニア国立銀行(中央銀行)が発表したデータを引用し、対内直接投資額では2022年1~10月の10カ月で約94億ユーロ(ネット、フロー)と、2021年の通年額だった89億ドルをすでに超え、かつ経済危機前の2008年の約92億ユーロの記録も超えたことを評価した。

2020年時点のECIランキング上位5カ国は、日本(2.27)、スイス(2.14)、ドイツ(1.96)、韓国(1.95)、シンガポール(1.87)。東欧諸国は全体的に高く、6位チェコ(1.78)、7位オーストリア(1.70)、9位ハンガリー(1.54)、19位ルーマニア(1.27)、26位ポーランド(1.02)となっている。

(注)米国スタンフォード大学卒業、米国ハーバード大学経済学博士号。世界銀行(ワシントンDC)開発専門家など経て、現在、国民自由党(PNL)所属下院議員。

(西澤成世)

(ルーマニア)

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