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ルーマニア、復興計画を欧州委に提出、グリーン化への移行が最重点

(ルーマニア、EU)

ブカレスト発

2021年06月17日

ルーマニア政府は6月2日、EUの復興基金「次世代のEU」(2020年9月24日付地域・分析レポート参照)の核となる、新型コロナウイルス危機からの復興のための加盟国への支援基金「復興レジリエンス・ファシリティー(RRF)」を受けるため、5月31日に「国家復興・レジリエンス計画PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(PNRR)」を欧州委員会に提出したことを発表した。同計画は総額293億8,800万ユーロの投資計画となっており、財源はRRFからの支援が約292億ユーロ、残りはルーマニア政府が負担する。RRFは142億4,800万ユーロが補助金、149億3,500万ユーロが融資のかたちでEUから配分される予定だ。

同計画は、以下の6つの柱で構成されている。

1.グリーン化への移行(約159億400万ユーロ)

水資源管理(8万8,000世帯を上下水道に接続、洪水被害防止策など)、植林など森林保護、生物多様性促進、廃棄物管理(回収の効率化、ごみ分別、リサイクルシステムなど)、持続可能な輸送システム改革(道路インフラ拡充、鉄道網と車両の近代化、ブカレストの地下鉄延伸、クルージュ・ナポカ市の地下鉄新設、脱炭素化対策など)、グリーンビルディング、建築物の耐震化、持続可能なエネルギー

2.デジタルトランスフォーメーション(18億9,200万ユーロ)

政府データベースのクラウド化と公共機関のデジタル化を計画。主な投資計画は以下のとおり。

  • 全省庁、政府機関を相互運用可能な単一のデータベースで接続
  • 国民の電子IDカード発行
  • 公務員のデジタルトレーニング
  • デジタルスキル開発のための図書館の近代化・機能強化
  • 公共施設のサイバーセキュリティ強化
  • 医療機関200カ所のデジタルネットワーク化
  • 遠隔790自治体の高速インターネット接続

3.持続可能な包括的成長(28億4,100万ユーロ)

財政改革、年金制度改革、官僚主義の排除、行政手続き簡素化、民間研究開発への補助金とイノベーションへの投資

4.社会的および地域的結束(23億2,000万ユーロ)

地域格差を是正するグリーン化・デジタル化、文化観光(12本の文化ツーリズムルート開発、抑圧と紛争の歴史を保存する博物館や記念碑の保守)

5.医療、経済、社会の制度回復(レジリエンス)(28億2,700万ユーロ)

医療の拡充、貧困層、障がい者支援などの社会改革、賃金制度改革、司法改革(新しい汚職防止法の制定とその実施、国家調達制度改革など)

6.新世代ための政策(36億600万ユーロ)

教育環境の向上

同計画のうち特に投資額が大きいのは、輸送部門(約76億ユーロ)、教育部門(約36億ユーロ)、医療部門約24億ユーロ)、研究開発・イノベーション部門(約24億ユーロ)で、これらの投資により、高速道路、学校、保育園、病院の建設を進めるほか、中小企業向けのベンチャーキャピタルファンド、補助金、証券取引所の資金によるデジタルトランスフォーメーション(DX)とイノベーションを促進する。

クツ首相は同日、これらの計画を2026年までに実行すると述べた。今回提出したPNRRは、今後、欧州委員会の審査やEU理事会(閣僚理事会)による承認というステップを経ることになる。

(ミンドル・ユニアナ、西澤成世)

(ルーマニア、EU)

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