米エネルギー省、バイオ燃料開発に約1.2億ドル支援、地熱発電は2050年に90GWに達すると発表

(米国)

ニューヨーク発

2023年01月27日

米国エネルギー省(DOE)は1月26日、農業廃棄物、大豆油、動物性脂肪などのバイオマスから作るバイオ燃料生産プロジェクトに1億1,800万ドルを拠出すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

支援対象となったのは17のプロジェクトで、藻類ベースのジェット燃料生産や廃油などからのエタノール生産、トウモロコシの茎などからの持続可能な航空燃料(SAF)生産などのプロジェクトが並ぶ。支援額は45万ドルから8,000万ドルの範囲だが、ほとんどのプロジェクトが200万ドル以上の支援を受ける(プロジェクト一覧はエネルギー省リスト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを参照)。DOEによると、こうしたプロジェクトは1月に発表された輸送部門の脱炭素化の青写真の再生可能燃料目標や(2023年1月20日記事参照)、2030年までにSAF生産を年間30億ガロン、2050年までに航空燃料の100%をSAF化させる目標(2022年9月27日記事参照)に沿うものとしている。また、17のプロジェクトは首都ワシントンと、イリノイ州やユタ州など9州の農村地域や、これまで十分な支援を受けていない地域で実施され、高収入の雇用を創出するとしている。

また、エネルギー省国立再生可能エネルギー研究所は1月25日、地熱発電が2050年までに90ギガワット(GW)に達する可能性があるとの分析を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。地熱は発電コストが高いため、まだ広く普及しておらず、米国では地熱発電による電力生成は約3.7GWにとどまる。DOEは2022年、地熱発電コストを2035年までに現在から90%削減してメガワット時(MWh)当たり45ドルにするという目標を設定し、地熱発電開発を進める意向を示している。今回の分析によって、この目標は「野心的だが、技術進歩によって達成可能」なことが発見されたとしている。DOEは1月19日には地熱エネルギー研究センター(EERC)に2億ドルの財政支援を行うことを発表しており、バイオ燃料開発支援と併せて、地熱エネルギー開発も今後さらに盛り上がっていきそうだ。

(宮野慶太)

(米国)

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