ガソリンなどへの環境保護税引き上げも、減税を維持

(ベトナム)

アジア大洋州課

2023年01月06日

ベトナム国会常務委員会は2022年12月30日、ガソリンなど石油製品への環境保護税額について、2023年内に適用される税額を定めた。高騰する石油製品の価格を抑えるために期間限定で適用されていた直近の税額(2022年7月12日記事参照)よりも引き上げとなったが、通常時の税額よりも低い水準を維持した。

ガソリンへの環境保護税は2023年1月1日から12月31日まで、1リットル当たり2,000ドン(約11円、1ドン=約0.0056円)となる(添付資料表参照)。直近の2022年7月1日から12月31日まで適用されていた1,000ドンからは引き上げとなった。一方、石油製品の高騰を背景に環境保護税が引き下げられる以前(通常時)の4,000ドンからは、半減された税額となる。

飛行機の燃料への環境保護税は、直近の1,000ドンに引き下げられた状態を維持する。軽油、マズート油、潤滑油、グリースは1,000ドンとなった。ガソリンと同様、直近の税額からは引き上げられたが、通常時の半額に抑えられた。

今回の環境保護税改定などを受け、ベトナム商工省は2023年1月3日、ガソリンなど石油製品の小売価格の上限をわずかに引き上げた。環境保護税と付加価値税を含むガソリンの小売価格の上限は、ベトナムでレギュラーに相当する「E5RON92」が1.6%増の1リットル当たり2万1,352ドンで、ハイオクに相当する「RON95-III」が1.6%増の2万2,154ドンとなった。軽油は増減なしの2万2,150ドンで、灯油は2.7%増の2万2,767ドンに引き上げられた。重油は1キログラム当たり0.8%増の1万3,740ドンとなった。

なお、ベトナム国内のガソリン小売価格は、2022年6月にピークを迎えて以降、落ち着く傾向にあった。一方、2022年10月から11月にかけて、ホーチミン市やハノイ市などでは、一時的にガソリン不足が生じた。これは、商工省が10日ごとに改定するガソリンの小売価格上限が市場価格に対して低い状態となり、流通が滞ったことが要因とされている。

(庄浩充)

(ベトナム)

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