石油製品への環境保護税、今年2度目の引き下げ実施

(ベトナム)

ハノイ発

2022年07月12日

ベトナム政府は711日からガソリンなど石油製品への環境保護税を追加で引き下げた。石油製品への環境保護税は41日にも引き下げが実施されており(2022年4月8日記事参照)、今年で2度目の減税となる。高騰する石油製品の価格を抑えることで、国内の生産や事業への影響を軽減したい狙いだ。

国会常務委員会は76日に、ガソリンなど石油製品への環境保護税引き下げを決定した。これを受け、財務省はガソリンへの環境保護税は11日から年末まで、1リットル当たり2,000ドン(約12円、1ドン=約0.0059円)から1,000ドンに半減する(添付資料表参照)。飛行機燃料への環境保護税は1,500ドンから1,000ドンに引き下げる。軽油は1,000ドンから500ドンに、マズート油、潤滑油、グリースは1,000ドンから300ドンに引き下げる。灯油は前回に大幅に引き下げたため、現行の300ドンに据え置く。

政府は減税を反映するかたちで711日にガソリン価格を改定。その他税金などを含めた小売価格上限は、1リットル当たり約3,100ドンの引き下げとなり、27,78829,675ドンに設定された。

政府が国会常務委員会に提出した当初案では、環境保護税は81日からの引き下げとなっていたが、決議に当たり、即急な対応が必要ということで、711日からの適用開始となった。ブオン・ディン・フエ国会議長は、石油製品の供給を多様化するため、輸入税の引き下げを進めていると言及。併せて、政府に対し、付加価値税や特別消費税を引き下げる検討も必要だと訴えた。また、減税措置のほか、ガソリン高騰によって影響を受けている漁業や運輸業、低所得者層などへの支援措置を検討するよう促した。

政府の試算によると、今回の環境保護税引き下げでガソリン価格が抑えられることにより、2022年の消費者物価指数(CPI)を0.15ポイント押し下げる効果が期待できるという。

財務省によると、今回の減税により、国家の税収は月当たり14,000億ドン減少するという。

(庄浩充)

(ベトナム)

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