遼寧省、輸入コールドチェーン食品の消毒やPCR検査が廃止に

(中国)

大連発

2023年01月12日

中国・遼寧省政府は1月10日、「新型コロナウイルス(以下、新型コロナ)による感染に対して『乙類として分類し、乙類として管理する』を実施する全体計画案の通知外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」(2022年12月28日記事参照)の発表を受け、遼寧省における輸入コールドチェーン食品の防疫措置を調整すると発表した。主な内容は以下のとおり。

  • 省政府指定の冷凍倉庫への搬入および消毒やPCR検査を廃止(注)。
  • 輸入コールドチェーン食品製造事業者における防疫管理制度および高リスク従業員の管理措置を廃止。
  • 輸入コールドチェーン食品取り扱い事業者などは、輸入コールドチェーン食品を購入・保管・流通する際、PCR検査結果や消毒証明などを不要とする。指定エリアでの保管や販売の条件を撤廃。

コールドチェーンを利用した水産品の全国最大の輸入港を有する遼寧省大連市では、今回の調整が確実に実施されている。ジェトロが1月11日に大連市所在の企業にヒアリングを行ったところ、物流関係者からは、既に空港や港では物流における新型コロナ関連の検査は全てなくなったという。また、水産品関連企業は「解禁直後の今は自社の貨物がまだ輸入できておらず、自社実務での確認まではできていないが、緩和措置は問題なく現場で適用されているとみている」と述べた。一方で、「この3年間の中国への水産物輸入は、PCR検査の結果を受けたシップバック(積み戻し)のリスクが常にあり、海外の同商品輸出者にこれまでかなり敬遠されてきた。中国政府は、規制をなくしたことにより、すぐに状況が回復すると簡単に考えている印象があるが、実際にはさらに時間が必要で、徐々に再開することになるのではないか」と指摘した。

(注)2020年12月以降、輸入コールドチェーン食品は省政府が指定する倉庫に搬入することが義務付けられていた(2021年1月29日記事参照)。

(高文寧)

(中国)

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