COP28議長にジャーベルUAE産業・先端技術相が就任

(アラブ首長国連邦)

ドバイ発

2023年01月17日

アラブ首長国連邦(UAE)政府は、2023年11月30日から12月12日までの日程でUAEにて開催予定の国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)第28回締約国会議(COP28)の議長に、スルターン・ビン・アフマド・スルターン・アール・ジャーベルUAE産業・先端技術相兼アブダビ国営石油会社(ADNOC)最高経営責任者(CEO)を任命した。1月12日付の国営エミレーツ通信(WAM)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますが伝えている。

ジャーベル氏は、世界有数の石油会社のCEOである一方で、UAEの気候変動担当特使や、アブダビに拠点を置く再生可能エネルギー企業マスダールの創設者・会長でもあるなど、UAEの気候変動対策における中心的人物だ。

同氏は議長就任に際し、「気候変動対策にとって、これからの10年間はとても重要な期間だが、中でも今年は最も重要な年となるだろう。UAEは、強い責任感と高い野心をもってCOP28に臨んでいく」と述べた。

また、2022年のCOP27において、「損失と損害(Loss and Damage)」に対する補償が論点となり、気候変動の悪影響に対して脆弱(ぜいじゃく)な途上国を支援するための基金の設立が「シャルム・エル・シェイク実行計画」に盛り込まれたが、この基金の運用について、COP28で検討、採択される予定であることを受け(2022年11月22日記事参照)、UNFCCCやCOP27議長国と協力して、誰一人取り残さない公正なエネルギー転換を促進し、気候変動対策のための資金が最も脆弱(ぜいじゃく)な人々に向けられるようにして、「損失と損害」に対応するための強固な資金調達制度を構築するというCOP28の包括的な議題を支持するとした。

さらに、COP28では、パリ協定の締結以降で初めて、世界各国の気候変動対策の進捗状況を国際的に評価する仕組みであるグローバル・ストックテイク(GST)が実施されることに触れ、「GSTは、今回および将来のCOPの機運を高めるための基盤を提供するものであり、UAE は交渉過程から GST に対応した野心的な成果を求めていく」と述べた。

(太田尭久)

(アラブ首長国連邦)

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