ネタニヤフ氏が首相復帰、第37代内閣が正式に発足

(イスラエル)

テルアビブ発

2023年01月12日

イスラエルの国会にあたるクネセトが2022年12月29日に総会を開催し、第37代内閣外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますが正式に発足した。今次の連立政権は、2022年11月1日の総選挙で第1党となった「リクード」のベンヤミン・ネタニヤフ党首が中心となり、各党との連立調整を進め、閣僚ポストや政策などで合意に至っていた(2022年11月4日記事2022年12月26日記事参照)。

首相には「リクード」のベンヤミン・ネタニヤフ党首が就任し、約1年半ぶりの首相復帰となる。首相代理には同党からヤリブ・レビン氏が任じられ、法務相も兼ねる。前内閣ではヤイル・ラピッド前首相が兼務していた外務相も同党からエリ・コーエン氏が務める。財務相としては、過激な発言で知られる右派「宗教シオニズム」のベザレル・スモトリッチ氏が国防省付大臣を兼ねるかたちで入閣する。警察など国内の治安維持を統括する国家治安相には右派「ユダヤの力」のイタマル・ベン・グビール氏が充てられた(添付資料表参照)。

当初から報じられているとおり、極右政党や宗教政党から多くの閣僚が入閣しており、「イスラエル史上最も右寄りの内閣」と呼ばれている。発足後間もない2023年1月3日に、イタマル・ベン・グビール国家治安相がエルサレムの旧市街地にあるユダヤ教、キリスト教、イスラム教の聖域となっている「神殿の丘」を訪問したことで、周辺のアラブ諸国の反発を招き、国連安全保障理事会で緊急会合が招集されるなど、今次政権の発足による国内外での緊張の高まりもみられる。ネタニヤフ政権の今後が注目される。

(太田敏正)

(イスラエル)

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