ネタニヤフ元首相による連立政権が成立へ

(イスラエル)

テルアビブ発

2022年12月26日

12月22日付のイスラエル現地紙「エルサレム・ポスト」によると、11月1日に行われた総選挙で第1党となった右派「リクード」を率いるベンヤミン・ネタニヤフ元首相(2022年11月4日記事参照)が各政党との連立交渉の結果、合意に達し、アイザック・ヘルツォーク大統領に連立政権成立を報告した。2023年1月2日までに開催されるクネセト(国会に相当)で承認されることで、新政権が正式に発足することになる。

今回の連立政権では、パレスチナ問題などの重要政策テーマに対して過激な考えを持つ各党からの入閣が予想され、非常に右寄りの政権となることが予想されると現地紙は報じている。例えば、過去にパレスチナ人への攻撃を企てたとして治安部隊に告発された右派「宗教シオニズム」を率いるベザレル・スモトリッチ氏は、新設されるヨルダン川西岸地区のユダヤ人入植地を監督する閣僚を務める可能性があると報じられている。また、右派「ユダヤの力」の党首を務め、かつてイスラエルのアラブ系住民に対する扇動的な発言によって扇動罪で有罪判決を受けたイタマル・ベン・グビール氏は、国内警察を管轄するポストに就くことが有力視されている。

ほかにも、移民政策や司法への宗教介入の強化に積極的な姿勢を示す政党を連立内に複数抱えており、1年半ぶりに首相に復帰するネタニヤフ氏には、国際社会とのあいだで難しいかじ取りが求められることになりそうだ。

(太田敏正)

(イスラエル)

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