ラマポーザ大統領、与党ANCの党首選に勝利

(南アフリカ共和国)

ヨハネスブルク発

2022年12月21日

南アフリカ共和国で12月19日、与党・アフリカ民族会議(ANC)の第55回党大会で党首選挙が行われ、現大統領のシリル・ラマポーザ氏が再選を果たした。ANC党大会は5年ごとに行われ、党首を含むANCの「トップ7」と呼ばれる重要な役職の党内選挙が実施される。

党首選は、ラマポーザ大統領に全体の半数を超える2,476票が集まった。同大統領は自身の汚職疑惑(2022年12月2日記事参照)により苦しい立場で党大会を迎えたが、最終的には、対抗するズウェリ・ムキゼ元保健相(1,897票)に579票差をつけての勝利だった。2024年に予定される国民総選挙でANCが勝利すれば、ラマポーザ大統領は2期目を迎えることになる。しかし、ANCは近年、支持率を徐々に落としており(2021年11月16日記事参照)、今回の汚職問題が党内分裂やANCに対する国民の感情悪化に拍車をかけることになれば、2024年選挙にも影響が出ると懸念されている。

党大会では、副党首や書記長などANC内の要職の6人の顔ぶれも決まった。党首と同じく、各役職の任期は5年。副党首と第1書記長以外の4人はラマポーザ陣営からの選出となった。

今回のラマポーザ大統領の党首再選は、ビジネス界や投資家に好意的に受け止められているようだ。市場では、南ア通貨は19日朝の時点で1ドル=17.6ランドだったが、再選発表を受けて17.22ランドとなり、2%以上の上昇となった。南ア経済団体連合会(BUSA)なども、ラマポーザ大統領の再選を歓迎するとし、ANCに対して投資家の信頼回復や効果的な経済政策に取り組むようコメントしている。

(堀内千浪)

(南アフリカ共和国)

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