輸出申告システムの変更や所得税申告のデジタル化を延期

(英国)

ロンドン発

2022年12月23日

英国の歳入関税庁(HMRC)は12月15日、英国からの輸出時に利用する税関申告システムの変更につき、実施時期の延長を発表した外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

通関システムについては、これまで税関申告サービス(CDS)、輸出入貨物通関処理システム(CHIEF)の2つが利用されていたが(両システムの違いについては、英国政府サイト参照外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)、HMRCは2021年8月3日に、CHIEFの利用を段階的に終了してCDSに統一することを発表。輸入申告に関しては2022年9月30日にCHIEFの利用を終了、輸出についても2023年3月31日で終了する予定としていた(2022年3月25日記事参照)。しかし、今回の変更で、輸出申告については2023年11月30日までCHIEFの利用を可能にする。輸入申告については予定どおり2022年9月30日にCHIEFの利用を終了している。

また、HMRCは12月19日、個人事業主および地主に対する所得税の申告納税のデジタル化(注1)につき、延期および段階的な導入とすると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。これまでHMRCは、個人事業または不動産からの年収(グロス)が1万ポンド(約160万円、1ポンド=約160円)を超える場合は、2024年4月から専用ソフトウエアを用いた記録の保管やHMRCに対する四半期ごとの所得・経費の提出を義務付けるとしていた。今回の延長により、個人事業または不動産からの年収が5万ポンド超の場合は2026年4月、年収3万ポンド超5万ポンド以下の場合は2027年4月から義務化の対象とする。HMRCは、年収3万ポンド以下の小規模事業者については、事業者のニーズに合わせてデジタル化の見直しを行うとしている。

一方、パートナーシップ(注2)の場合は予定どおり2025年中に義務化するとしている。

(注1)詳細は英国政府ウェブサイト参照外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

(注2)企業の形態についてはジェトロ・調査レポート「英国事業拠点設立ガイドブック」を参照。

(山田恭之)

(英国)

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