電力消費量に占める再生可能エネルギーの割合が増加

(ドイツ)

デュッセルドルフ発

2022年12月26日

ドイツの連邦エネルギー・水道事業連合会(BDEW)とバーデン・ビュルテンベルク州太陽エネルギー・水素研究センター(ZSW)は12月16日、2022年の国内の発電電力量に占める再生可能エネルギー(再エネ)の割合と電力消費量の推移(暫定値)を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした(添付資料表参照)。

2022年の電力消費量に占める再エネの割合は、前年比で4.9ポイント増の46.9%となった。前年比増の主因としては、2022年初に風の強い日が多く、陸上風力の発電量が9.3%増加したことや、夏場に日照時間が長く、太陽光発電による発電量が21.2%増加したことを挙げた。洋上風力やバイオマス発電による発電電力量も微増した。なお、2021年は風が弱い日が多かったため、風力発電による発電電力量が大きく減少し、再エネ割合が下がっていた(2021年12月24日記事参照)。

BDEW執行委員会のケルスティン・アンドレエ委員長は「将来の安定かつ自立したエネルギー供給には、再エネだけではなく、電力貯蔵施設や送電網、水素の混焼・転換が可能なガス火力発電所への投資が不可欠だ」と述べた。特に、現在の危機的状況においてこそ、再エネの拡大を進めるべきであるため、陸上風力と太陽光発電に利用できる土地の面積を増やすとともに、計画・許可手続きを加速させることや、一層拡大している再エネ由来の発電に対応する送電網の整備も必要があると続けた。

ZSWのフリトヨフ・シュタイス執行役員は「現在、主に需要側の製造業が再エネへの大規模な投資の先駆けとなっている。短期的視点でエネルギー価格高騰による自社ビジネスへの影響を減らすためだけではなく、長期的視点で物価上昇への備えやエネルギー供給企業への依存を避けるためだ」とした。同氏は、カーボンニュートラルな製造の達成に向けた数多くの活動と合わせて、現在の状況が気候保護の推進力となっている一面もあるとの認識を示した。また「再エネの急速な拡大を最大限可能とするように、政治家は法的枠組みを構築し、市場環境を最速で整備するべきだ」とも指摘した。

(ベアナデット・マイヤー、作山直樹)

(ドイツ)

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