第3四半期のGDP成長率は前期比0.2%、成長鈍化が鮮明に
(ベルギー)
ブリュッセル発
2022年12月02日
ベルギー国立銀行(NBB)は11月30日、同国の2022年第3期四半期(7~9月)の実質GDP成長率を前期比0.2%(季節調整済み)、前年同期比では1.9%と発表(プレスリリース)した(添付資料表参照)。新型コロナウイルス感染拡大第4波の影響で、2021年第4四半期(10~12月)に経済成長が減速して以降(2022年3月4日記事参照)、3期連続で前期比1%未満の低成長が続いていたが、今回の発表で鈍化傾向が鮮明となった。他方で、速報値での第3四半期の成長率は前期比マイナス0.1%とされていたが、やや上振れし、プラス成長を維持した。
第3四半期のGDP成長率(前期比)を需要項目別にみると、民間需要が成長を支えた。耐久財と非耐久財の消費がともに伸びたことで、民間最終消費支出は0.7%増となった。企業投資と住宅投資、公共投資がそれぞれ0.3%減、0.9%減、1.5%減と軒並み縮小したことで、国内総固定資本形成は0.5%減だったが、前期の1.6%減から減少幅は縮小した。政府最終消費支出は、前期から横ばいの0.0%だった。
財貨・サービスの輸出と輸入は、いずれも前期の0.1%減からそれぞれ1.9%増、2.2%増とプラスに転じたものの、輸入の伸びが輸出を上回ったことで、純輸出はGDPを0.3ポイント押し下げた。
産業別にみると、工業(建設業を除く)が0.9%減と大きく後退し、2期連続でマイナス成長となった。建設業とサービス業は成長を維持したものの、それぞれ0.3%増、0.4%増にとどまった。
第3四半期の雇用は前期から2万1,900人増加し、総雇用者数は前期比0.4%増、前年同期比で1.9%増となった。
(大中登紀子)
(ベルギー)
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