2021年第4四半期のGDP成長率は前期比0.5%、通年は6.1%で新型コロナ前の水準に回復

(ベルギー)

ブリュッセル発

2022年03月04日

ベルギー国立銀行(中央銀行)は2月25日、ベルギーの2021年第4四半期(10~12月)の実質GDP成長率を前期比で0.5%(季節調整済み)、前年同期比では5.6%と発表(プレスリリースPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます))した(添付資料表参照)。2021年第3四半期(7~9月)は前期比2.0%で回復基調にあったが(2021年12月7日記事参照)、11月以降の新型コロナウイルスの感染拡大第4波の影響により成長が減速したかたちとなった。

第4四半期のGDP成長率(前期比)を需要項目別にみると、内需の全項目でマイナス成長となった。民間最終消費支出はマイナス0.7%となり、前期の6.1%から大きく後退した。政府最終消費支出もマイナス1.3%と、大きな伸びを示した前期の5.5%からマイナスに転じ、国内総固定資本形成はマイナス2.6%と、前期のマイナス0.3%からさらに減速した。財貨・サービスの輸出と輸入は、それぞれ1.5%、0.4%と拡大し、輸出の伸びが輸入を大きく上回ったため、純輸出がGDPを0.9ポイント押し上げた。

ベルギー経済は2020年に前年比マイナス5.7%と大きく落ち込んだものの、2021年通年の実質GDP成長率は6.1%となり、新型コロナ危機前の2019年の水準をわずかに上回るまで回復した。

2021年通年のGDP成長率を需要項目別にみると、第二次世界大戦以降で過去最大の落ち込みとなった2020年から、全ての需要項目で回復が見られた。民間最終消費支出と国内総固定資本形成はそれぞれ前年比5.9%、9.1%となり、経済成長を牽引した。政府最終消費支出は、医療部門で急を要さない医療サービスが再開したことから、4.0%となった。新型コロナウイルス感染拡大の状況の改善は貿易でも明らかで、輸出・入はそれぞれ前年比9.2%、8.5%となり、純輸出はGDPを0.7ポイント押し上げた。

2021年のGDP成長率を産業別にみると、サービス業は全体で前年比5.2%と大きく回復した。中でも、新型コロナウイルス感染拡大防止措置の緩和の恩恵を大きく受けた「卸売り・小売り、車両メンテナンス、運輸・倉庫、宿泊・飲食業」が8.2%で、GDPを1.3ポイント押し上げた。専門サービス業も9.8%となり、経済成長を牽引した。工業(建設業を除く)と建設業はそれぞれ9.9%、6.8%で、前年のマイナス成長から大きくプラスに転じた。

(大中登紀子)

(ベルギー)

ビジネス短信 b2a8830c742c3ca1