ヒマーチャル・プラデシュ州議会選挙、国民会議派が勝利

(インド)

ニューデリー発

2022年12月26日

インド北部ヒマーチャル・プラデシュ(HP)州で1112日に州議会選挙の投票が行われ、128日の開票の結果、これまで野党第1党だった国民会議派(INC)が単独過半数を獲得し、勝利した。これを受け、INCの同州支部長を務めた実績を持つスクウィンダー・シン・スク氏が1211日、同州首相に就任した。

今回の選挙では、HP州議会(定数68)の40議席をINCが獲得した一方、これまで政権を握っていたインド人民党(BJP)は25議席にとどまった(添付資料表参照)。政党別得票率ではINC43.9%、BJP43.0%と拮抗(きっこう)したが、多くの小選挙区でINCBJPに僅差で競り勝った。202223月に5州で行われた州議会選挙において、4州でBJPが第1党となっており(2022年3月17日記事参照)、ジャワハルラール・ネルー初代首相を輩出した歴史ある政党INCにとって、今回が州議会選挙における2022年初めての勝利となった。

HP州では、ヒマラヤ山脈の観光資源を生かした観光業が州別GDP7%を占めているが、新型コロナウイルス感染の影響による経済的な打撃を受けたことで、同州のBJP政権に対する信頼が一部で揺らいでいたとされる。INCは、2004年に廃止された手厚い旧年金制度の復活や女性への生活手当の保障、電力の一定無料供給などを掲げ、支持を集めた。ただし、国内メディアからは、これらの公約実現に必要となる十分な財源を実際に確保できるかを疑問視する声も早速あがっている(「インディアン・エクスプレス」紙1212日)。

インドの全28州・8連邦直轄地のうち、INCが政権を握る州は、ラジャスタン州、チャッティースガル州と合わせて計3州となった。BJPを率いるナレンドラ・モディ首相の地元グジャラート州では、12月の州議会選挙で引き続きBJPが勝利し(2022年12月13日記事参照)、州議会でBJPが単独で多数派を占める州は計10州となっている。

(ミナクシ・ベルワル、広木拓)

(インド)

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