カナダのエング国際貿易相が女性経営者の貿易ミッションを率いて訪日、貿易関係の協力拡大を協議

(カナダ、日本)

米州課

2022年12月09日

カナダのメアリー・エング国際貿易・輸出促進・中小企業・経済開発相は12月9日、4日から8日にかけての訪日を終えたと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。今回の訪日の主な目的は、カナダ・アジア太平洋財団による、女性が経営するヘルスケアおよびクリーンテック企業の貿易拡大を主眼としたミッションへの参加だ。滞在中は、日本経団連評議員会副議長を務めるヴェオリア・ジャパン代表取締役会長の野田由美子氏との懇談会に参加したほか、東京の女性ビジネスリーダーらとのラウンドテーブルを主導した。

日本政府の閣僚とは、環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定(CPTPP、いわゆるTPP11)を担当する後藤茂之経済再生担当相と12月5日に会談し、両国が協力してTPP11の高い基準を維持し、ルールに基づく貿易を支援する方法について協議した。内閣官房の発表PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)によると、後藤大臣は、TPP11を通じた自由貿易の推進について、引き続き連携していきたいとの考えを伝えた。また両大臣は、TPP11への英国加入手続に関しても、協定のハイレベルを維持しつつ、連携して取り組んでいく旨を確認したという。

12月7日には西村康稔経済産業相とも会談し、ルールに基づく貿易や、地域の経済安全保障と世界的なクリーンエネルギーへの移行を促進するための協力強化など、共通の目的への支持を確認したという。経済産業省の発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、西村大臣はカナダのインド太平洋地域への積極的な関与を歓迎すると伝え、カナダは重要鉱物を含むエネルギー資源の安定供給の担い手としてサプライチェーン強靭(きょうじん)化のパートナーでもあり、今後も協力を深化させたい旨を述べた。また、日本が議長国を務める2023年のG7での連携や、WTOやTPP11などの通商分野における協力についても意見交換した。カナダが関心を示しているインド太平洋経済枠組み(IPEF)参加についても意見交換した。

エング大臣は12月8日に、林芳正外相とも会談し、IPEFへのカナダの参加のほか、カナダが11月末に発表したインド太平洋地域戦略(戦略の概略は2022年11月29日記事を、日本などとの連携強化については2022年11月29日記事を参照)について議論した。カナダ政府の発表によると、エング大臣は、世界で最も急速に成長しているインド太平洋地域は、カナダの経済的繁栄にとって重要であり、カナダはインド太平洋諸国との貿易、投資、商務関係の拡大・進化に引き続きコミットしていることを強調した。両大臣は、カナダと日本の間の強固な2国間関係を再確認したとしている。

さらに滞在中、セガ、ネクスト・モビリティ、双日といった日本企業や、日本に拠点を構えるカナダの大手再生エネルギー開発事業者ノースランド・パワー(本社:オンタリオ州トロント)の代表者らと会談を行ったほか、オンタリオ州ブラントフォードで電気自動車の重要部品であるモーターコアを製造する三井ハイテックの工場を視察した。

エング大臣は、カナダ政府福岡通商事務所の開設記念式典にも出席し、カナダ・日本双方の政府関係者や事業経営者らと会談し、両国間の貿易拡大の利点促進のプロモーションに努めたもようだ。

画像 エング国際貿易・輸出促進・中小企業・経済開発相のツイート

エング国際貿易・輸出促進・中小企業・経済開発相のツイート

(高山さわ)

(カナダ、日本)

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