広州市、新型コロナ感染が急拡大、地下鉄利用者数は大幅減

(中国)

広州発

2022年12月21日

中国の広州市では、12月1日に新型コロナウイルスの防疫措置が大幅に緩和されて以降(2022年12月2日記事12月9日記事参照)、市内感染が急速に広まっている。

広州市政府が12月19日に開催した記者会見で、同市衛生健康委員会の張屹副主任は「12月から、広州市の発熱外来の受診患者数が増え続けている」と言及した上で、「受診患者は18〜59歳が全体の86.0%を占め、60歳以上は8.2%、18歳未満は5.8%だ。専門家は広州市の感染状況が2023年1月上旬にピークに達すると予測している」と説明した。また、インターネット病院(注1)のオンライン診療サービスの利用状況について、張副主任は「広州市には168カ所のインターネット病院がオンライン診療サービスを提供している」と説明し、「12月6日以降、インターネット病院はオンライン診断を延べ14万人に提供し、健康相談サービスを延べ2万8,600人に提供した。また、直近1週間で電子処方箋を4万2,000枚発行した」と紹介した。

なお、防疫措置を大幅に緩和して以降、同市政府は、無症状・軽症の場合は在宅療養またはインターネット病院の利用を呼びかけている。

中国では、無症状感染者数の公表をやめており、12月20日時点で無症状感染者を含めた感染者数全体を把握することはできなくなっている。

広州地下鉄の利用者数の推移をみると、12月5日の週の平日(12月5~9日)の1日当たりの利用者数は500万人前後だったが、12日の週には日を追うごとに減少。12日の490万人から翌週の19日には276万4,000人まで減少した(注2)。防疫措置が大幅に緩和された一方で、感染拡大に伴って市民が外出を控えている様子を読み取ることができる。また、ジェトロが19日に在広州市の日系企業数社にヒアリングを行ったところ、おおむね3~5割の従業員が感染しており、ほかに濃厚接触者も出ている中で、出勤可能な人数は全体の約3~4割にとどまっているという。

(注1)対面診療以外にオンライン診療を提供する病院のこと。

(注2)広州地下鉄による発表に基づく。12月5日の週のデータは12日に、12日の週と19日のデータは20日に発表された。

(汪涵芷)

(中国)

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