米ジョージア州連邦上院決選投票、世論調査は民主党優位、期日前投票は過去最高記録

(米国)

米州課

2022年12月02日

米国で11月8日に行われた中間選挙のジョージア州連邦上院選で、民主党と共和党の候補者ともに過半数を獲得できなかったため、12月6日に決選投票が行われる(2022年11月10日記事参照)。各種世論調査では、民主党現職候補のラファエル・ワーノック氏がわずかに優位との見通しだ。

ボストンのエマーソン大学は12月1日、ジョージア州の連邦上院選決選投票などに関する世論調査結果(注1)を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。それによると、決選投票でどちらの候補への投票に傾いているかという設問で、ワーノック氏が51.6%と、共和党のハーシェル・ウォーカー氏(元プロフットボール選手、48.4%)をわずかに上回った。会員制団体の全米退職者協会(AARP)が中間選挙後に実施した世論調査外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(注2)でも、決選投票を想定した問いで、ワーノック氏(51%)がウォーカー氏(47%)を上回った。

民主党はこれまで、上院で50議席の獲得を確実にしており、法案採決で賛否同数の場合、民主党のカマラ・ハリス副大統領が上院議長として最終的な議決権を有することから、多数派となることが決定している(2022年11月14日記事参照)。民主党は、ジョージア州の議席も獲得してさらに優位になることを目指しており、バラク・オバマ元大統領が応援にかけつけた。一方、下院で議席を増やして多数派となる共和党にとっても、上院で民主党との差を広げることは阻止したく、ジョージア州の上院選は注目されている。

決選投票の期日前投票は開始されており、ジョージア州政府外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、11月28日の投票数は30万3,650票と、1日では過去最高の投票数となった。29日も30万票を超える投票があり、既に100万票以上が投票されている(同州での中間選挙の投票数は約385万票)。

CBSニュースが行ったジョージア州の中間選挙の出口調査では、投票で重視する項目として、「犯罪」「中絶」「インフレ」「銃政策」「移民」のうち、「インフレ」(37%)が最も高く、「中絶」(26%)が続いた。「インフレ」を選択した人の72%が共和党、「中絶」を選択した人の77%が民主党に投票した。これは、フロリダ州に近い数値だが、フロリダ州では「中絶」選択の81%が民主党に投票しており、ジョージア州はやや保守的な傾向がみられる。

(注1)実施時期は11月28~30日、対象者はジョージア州の投票予定者888人。

(注2)実施時期は11月11~17日、対象者はジョージア州の投票予定者1,183人。

(松岡智恵子)

(米国)

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