米中間選挙のジョージア州、知事選でケンプ知事が再選確実、上院選は決選投票へ

(米国)

アトランタ発

2022年11月10日

米国ジョージア州で11月8日に、中間選挙と合わせて行われた州知事選では、共和党現職のブライアン・ケンプ知事が民主党のステイシー・エイブラムス氏(元州下院議員)を破り、再選を確実とした。FOXやNBC、CNNなど複数主要メディアがケンプ氏当選確実と報じた。両者は2018年の州知事選でも対戦し、得票数の差約5万5,000票、得票率1.4ポイントという僅差でケンプ氏が勝利した。同じ構図となった今回は、得票数差30万票近く、得票率7.6ポイント差(開票率99%、CNN東部時間午後5時時点)でケンプ氏が差を広げ、勝利を確実とした。

ケンプ氏は今回の選挙戦で、新型コロナウイルス禍の中でもジョージア州が経済的成功を収めていることを強調した。歴史的なインフレを受けてバイデン政権を批判し、一貫して州民の物価高騰への対処を中心的メッセージとして発信してきた。

翌9日の勝利演説では、ジョージア州が記録的に低い失業率となっている現状や、州史上最大の投資案件が2件(注)続いたことに触れながら、新型コロナ禍で州民の生命と生活の両方を守るために正しいことを行ったと語り、これまで自身の政策に反対してきたエイブラムス氏、ドナルド・トランプ前大統領やジョー・バイデン現大統領を批判した。エイブラムス氏は、ジョージア州で施行した中絶禁止法(2022年7月22日記事参照)や、他人に見えない状態ならばライセンスなしで銃の携帯を許可する法律を巡って、ケンプ知事を批判してきたが及ばなかった。

上院選は12月の決選投票へ

ジョージア州の連邦上院選では、民主党現職のラファエル・ワーノック氏に、トランプ前大統領の支持を受けたハーシェル・ウォーカー氏(元プロフットボール選手)が挑み、大接戦を繰り広げた。9日時点(米国時間)でワーノック氏が得票で約1万7,500票差、得票率0.5ポイント差でウォーカー氏をリードしているが、両者の得票率ともに過半に達しておらず、複数メディアは12月6日に行われる決選投票へ進む見込みと報じている。

同州の連邦下院選では、第6区が民主党から共和党に移り、民主党5議席、共和党9議席となる見通しだ。

(注)リビアンと現代自動車による電気自動車(EV)生産工場の発表(2021年12月21日記事2022年5月23日記事参照

(石田励示)

(米国)

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