第1回中国・GCCサミット開催、中国とアラブ諸国の関係強化へ

(サウジアラビア、中国、中東)

中東アフリカ課

2022年12月13日

サウジアラビアの首都リヤドで12月9日、第1回中国・湾岸協力会議(GCC)サミットと、第1回中国・アラブ諸国サミットが開催された。中国の習近平国家主席が同月7日から9日までサウジアラビアを公式訪問した(2022年12月12日記事参照)タイミングで行われた。

中国・GCCサミットには、サウジアラビアと中国のほか、カタール、バーレーン、クウェート、オマーン、アラブ首長国連邦(UAE)の首脳(UAEはフジャイラ首長国首長)と、GCC事務局長が出席。ムハンマド・ビン・サルマン皇太子が開会スピーチで「湾岸地域と中国の協力関係の歴史的な新しい局面を確立する」として、一層の関係強化を目指す考えを示し、湾岸地域と中国の自由貿易圏設立も検討していることを明らかにした。

今回の習国家主席訪問に際し、サウジアラビアと中国の企業が34件の投資にかかる合意に署名した(2022年12月12日記事参照)。習国家主席は基調講演で、GCC諸国との石油・ガス貿易に関して、輸入と人民元決済を拡大していくと述べた。

中国・アラブ諸国サミットでは、中国と、サウジアラビアを含むアラブ連盟(注)21カ国・機構の首脳や、アラブ連盟事務局長、国際機関が出席した。習国家主席は、中国とアラブ諸国は経済発展に焦点を当ててウィンウィンの協力をすべきとし、今後3年から5年で食料・エネルギー安全保障、グリーンイノベーションを含む8つの協力イニシアチブ(八大共同行動)をアラブ諸国と推進すると述べた。

サウジアラビアと中国の貿易額は、近年拡大している。サウジアラビアの輸出入額推移をみると、2018年から中国が米国を大きく上回るようになり、GCC主要国のUAEでも2020年から中国の伸びが大きい(添付資料図1、2、3、4参照)。石油の輸出額は、2015年に中国が米国を上回った(添付資料図5参照)。輸入主要品目の輸送車両の輸入額も、2020年に中国が米国を上回った(添付資料図6参照)。

(注)アラブ連盟は、エジプト、シリア(加盟資格停止中)、イラク、ヨルダン、レバノン、サウジアラビア、イエメン、リビア、スーダン、モロッコ、チュニジア、クウェート、アルジェリア、アラブ首長国連邦、バーレーン、カタール、オマーン、モーリタニア、ソマリア、パレスチナ自治区、ジブチ、コモロの22カ国・機構で構成されている。

(久保田夏帆)

(サウジアラビア、中国、中東)

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