サンクトペテルブルクの旧日産工場で2023年後半からアフトワズが車両生産へ

(ロシア)

欧州ロシアCIS課

2022年12月27日

ロシアの乗用車最大手アフトワズは12月22日、サンクトペテルブルクにある日産自動車の旧工場で自動車生産プロジェクトを開始したと発表した。2023年後半から、自社の「ラーダ」ブランド車として、CとDセグメントのセダン、クロスオーバーを生産する。アフトワズには当該車種の製品ラインアップが現在はない(チェリャビンスク州ネットメディア「74.RU」12月22日)。

日産はロシアによるウクライナ侵攻を受けて3月に生産を停止し、10月11日にロシア市場からの撤退を発表(2022年10月13日記事参照)。その後、日産からロシア事業にかかる全資産を取得したロシアの自動車・エンジン中央科学研究所(NAMI)は11月24日付のプレスリリースで、日産車両のアフターサービスとスペアパーツの供給をアフトワズが今後行うと公表していた。

アフトワズによると、現在、組み立て用部品の供給に関して「友好国」(注)のパートナーと協議を続けており、交渉は既に最終段階にあるという。地元サンクトペテルブルクの日刊紙「ドゥニェブニク」(12月22日)は「(パートナーは)おそらく中国メーカーになるだろう」との見方を示している。

(注)ロシア政府は3月、「非友好的行動をとった国・地域のリスト」を作成した(2022年3月9日記事参照)。「非友好国」には日本、米国、英国(王室属領や海外領土も含む)、EU加盟国、ウクライナなど50の国・地域が含まれる(10月時点)。「友好国」はこれら国・地域を含まない国などを指すとみられる。

【欧州ロシアCIS課】

(ロシア)

ビジネス短信 14ed219c3b0cac4a