日産自動車、ロシア事業からの撤退を決定

(日本、ロシア)

欧州ロシアCIS課

2022年10月13日

日産自動車は10月11日、ロシア市場からの撤退を発表した(プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。現地子会社のロシア日産自動車製造会社(ロシア日産)の全株式を産業商務省所管の自動車・エンジン中央科学研究所(NAMI)に1ユーロで譲渡する。撤退に伴い、約1,000億円の特別損失の計上を見込んでいる。譲渡に当たっては、日産自動車がロシア日産と同社事業を今後6年の間に買い戻せる権利が含まれている。

撤退の背景について、日産自動車は「外部環境が変化する兆候が見えない」ためとしている。同社とロシア日産は2022年3月、サプライチェーンの混乱を受けてサンクトペテルブルク工場での生産を停止していた。

サンクトペテルブルクに所在する生産・研究開発拠点と、モスクワにある販売・マーケティングセンターは新名称で運用される予定。また、ロシアでの同社従業員はNAMIにより12カ月間の雇用が保証される。

今回の譲渡について、デニス・マントゥロフ産業商務相は「譲渡によって生産能力を保持することができ、2,000人の従業員の雇用も維持される」と述べた(10月11日付産業商務省テレグラムチャンネル)。

日本の自動車メーカーでは、トヨタ自動車が9月23日、ロシアでの生産事業終了を発表している。また、フランスの自動車大手ルノー・グループの取締役会は5月16日、ロシア事業の売却に関する契約締結の承認を発表している(2022年5月18日記事参照)。

(宮下恵輔)

(日本、ロシア)

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