上海市、新型コロナ濃厚接触者の隔離措置と入境者の防疫措置を緩和

(中国)

上海発

2022年12月09日

中国の上海市人民政府は12月7日、同市における新型コロナウイルス(以下、新型コロナ)濃厚接触者の隔離方法および同市への入境者の行動制限などを見直し、防疫措置の合理化を実施すると発表した。新たな措置は12月8日午前0時以降に適用。

新型コロナ濃厚接触者の隔離措置として、これまで「5日間の集中隔離+3日間の自宅健康観察」の措置が取られていたが(2022年11月16日記事参照)、「5日間の自宅健康観察」に修正された。なお、自主的に集中隔離を選択することも可能。自宅健康観察の条件を満たさない場合には、市が集中隔離を実施するとした。さらに、12月7日時点で集中隔離となっていた濃厚接触者が自宅健康観察の条件を満たしている場合には、居住地に戻って、その後の自宅健康観察を実施可能とする経過措置も明確化した。

市政府が定めた上海市への入境に関する防疫措置(2022年11月24日記事参照)については以下のとおり緩和される。

  • 入境者に義務づけられていた、入境前の同市行政サービスアプリ「随申弁」への関連情報登録および、入境直後の居住委員会への報告を不要とする。
  • 入境後、「入境時PCR検査」「3日間で3回のPCR検査」および「入境後5日目のPCR検査」を実施しなくてもよいとする。なお、検査を実施しない場合も健康コードは「黄色」にならない。
  • 入境後5日未満の場合でも、上海市健康コード上に「入境後5日未満」であることを表示せず、公共の場所へのアクセスを制限しない。

また、上海市政府は、12月7日に上海市疫情防控工作会議を開催し、中国国務院が発表した「新型コロナウイルス感染拡大防止抑制措置実施の一段の合理化に関する通知」(2022年12月8日記事参照)に基づく措置を実施するための作業を開始したと公表した。その際、陳吉寧上海市書記は、国務院が公表した10の防疫措置を科学的かつ精密に実施するほか、医療サービスの確保、自宅隔離の確保、ワクチン接種サービスの合理化などを行うと表明した。

(神野可奈子)

(中国)

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