北京市、11月24日から公共施設入場に48時間以内のPCR検査陰性証明が必要に

(中国)

北京発

2022年11月24日

北京市では新型コロナウイルス感染が拡大している。市政府は11月22日の記者会見で、24日から各種公共施設(注1)への入場や各種公共交通機関の利用に際して48時間以内のPCR検査陰性証明を求めると発表した。北京市内では従来、各種施設への入場で72時間以内のPCR検査陰性証明を求めていたが、今回の措置によって厳格化した。市政府は、現在の新型コロナウイルス変異株の潜伏期間は短く、感染速度が速く、新規感染者数が高止まりしており、社会面(封鎖管理区域以外の区域)の感染者も引き続き増加していることから、現在は感染拡大防止の最も重要で切迫した段階にあるとの認識を示している。

このほか、オフラインの大型イベントや全国規模の会議・研修、展示会・フォーラム、試験などの集団活動について厳格に抑制し、開催が必要な場合は48時間以内のPCR検査陰性証明を厳格にチェックするよう求めた(注2)。

市外からの来訪者に対する防疫対応も強化している。11月22日から全ての入・帰京者に対して、北京市に到着後3日間は1日1回PCR検査を受け、陰性結果が出るまで外出してはならないとした。到着後24時間以内に1回目のPCR検査を完了していない場合、あるいは、到着後満3日以内に3回目のPCR検査を完了していない場合には、北京健康コードにポップアップ(注3)が表示されると注意喚起した。

朝陽区では多数のオフィスで出勤者比率低減要請、多くの飲食店が店内飲食提供を停止

多くの日系企業が所在する北京市中心部の朝陽区では、市内でも特に厳しい防疫措置が取られている。

同区には市内で最も多くの高リスクエリア(注4)が存在しており、同エリア以外の全ての区域も低リスクエリアとなっている。朝陽区の住民は不要な区外への外出を控えるよう求められている。

また、同区内の多くのオフィスビルで、入居企業に対して出勤者数を一定比率以下に抑制するよう要請されているほか、多くの飲食店では店内飲食の提供が停止されている。

(注1)党や政府機関、企業や社会団体、オフィスビル、百貨店やスーパー、ホテル、レストラン、観光地などが含まれる。北京首都国際空港と大興国際空港も同じく11月24日から48時間以内のPCR検査陰性証明を求めると発表している。一部のオフィスビルなど各種施設では24時間以内のPCR検査陰性証明の提示を求めているところもある。

(注2)中央政府の各部門や北京市政府が共催して11月25日から開幕予定だった中関村フォーラムは2023年に延期することが発表されている。

(注3)中国語では「弾窓」。北京健康コードにポップアップが表示されている場合、建物などへの入館や各種公共交通手段の利用ができなくなる。

(注4)11月11日に国務院共同防疫メカニズムが発表した防疫措置(2022年11月15日記事参照)に基づき、リスクエリアを低・中・高の3段階から低・高の2段階に調整し、エリアの指定範囲も建物の棟単位に限定するようになっている。上記の防疫措置では、高リスクエリアで5日連続で新規感染者が出なかった場合、低リスクエリアになるとしている。

(小宮昇平)

(中国)

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