ハーベック経済相がバーデン・ビュルテンベルク州を訪問、再エネ普及など議論

(ドイツ)

ミュンヘン発

2022年11月16日

ドイツのロベルト・ハーベック経済・気候保護相は11月8日、ドイツ南部のバーデン・ビュルテンベルク(BW)州を訪問外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。ハーベック経済相は2022年1月、気候保護政策に関する報告書を発表した際に、国内の全16州を訪問して気候変動、エネルギー、産業の構造転換などについて意見を交わすとしていた。南部のバイエルン州は1月(2022年2月1日記事参照)、西部のノルトライン・ウェストファーレン州には2月(2022年3月3日記事参照)に訪問している。

今回のBW州訪問で、ハーベック経済相は州政府閣議に出席、ビンフリート・クレッチマン州首相らと、特に再生可能エネルギー普及について話し合った。BW州は2040年までの気候中立を目標に掲げる。クレッチマン州首相は目標達成には「再エネの拡大加速が決定的な役割を担う」とコメントした。BW州は2021年に全16州合計の太陽光発電量の12.6%〔7.5ギガワット(GW)、16州のうち2位〕を占めた一方、陸上風力発電は3.1%(1.7GW、同10位)にとどまっていた。

ハーベック経済相は今回、BW州が行う再エネ拡大加速の取り組みについて説明を受けた。具体的には、BW州は2021年10月にタスクフォースを設置、特に風力発電所建設について、計画・認可取得・稼働までに要する時間の短縮に取り組んでいる。現状では稼働までに約7年要するが、これを少なくとも半分にすることを目指す。また、風力・太陽光発電を普及させるべく、州土地利用計画法も改正。連邦の陸上風力法で「2027年末までに全土地面積の1.4%、2032年までに2%を風力発電事業用地とする」と定めている目標について、BW州は2025年までに1.8%を目指す。ハーベック経済相とクレッチマン州首相は再エネの拡大加速に加え、(1)送電網整備の必要性、(2)経済・社会の脱炭素化に向けた水素の重要性でも一致した。

11月8日午後には、ハーベック経済相は産業用自動化技術大手フェストのシャルンハウゼン工場を訪問外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます。エネルギー効率が高く持続可能な生産の仕組みや、工場のデジタル化などを見学した。また、エネルギー会社EnBWの送電子会社トランスネットBW(TransnetBW)の電力系統監視制御システムの中央拠点を見学外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます。送電網整備と今後数カ月の電力安定供給について議論した。

(高塚一)

(ドイツ)

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