ロシア、ウクライナの穀物輸出合意への復帰を表明

(ロシア、ウクライナ、トルコ、世界)

欧州ロシアCIS課

2022年11月07日

ロシア国防省は11月2日、黒海を経由するウクライナ産穀物輸出に関する合意に復帰すると表明した(ロシア国防省テレグラムチャンネル外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。クリミア半島の港湾などをロシア側への攻撃に使用しないことを保証した文書をウクライナ側から受け取り、この保証は当面十分と判断したとしている。

ロシアは10月29日、穀物輸出合意の履行を無期限に停止すると表明していた(2022年11月1日記事参照)。

ウクライナのゼレンスキー大統領は11月2日に発表した声明で合意の継続に触れ、「ロシアの脅迫は無に帰した」とした(11月2日付プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

国連報道官は同日、アントニオ・グテーレス事務総長が穀物輸出合意へのロシアの復帰を歓迎する声明を発表(11月2日付プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。また、トルコの外交努力に謝意を表明するとした。

なお、ウクライナの穀物輸出に関する合意は11月19日に期限を迎える。これについて、グテーレス事務総長は、合意の更新と完全な履行に向けて全ての関係者とともに関与を続けるとした(11月2日)。ロシア大統領府のドミトリー・ペスコフ報道官は3日、合意への復帰は期限延長を意味するわけではなく、延長については相手国と協議する予定とした(「RBK」11月3日)。

ウクライナ、ロシア、トルコは国連支援の下で7月22日、トルコのイスタンブールで、黒海を経由したウクライナからの穀物輸出再開に関する合意文書に署名している(2022年7月26日記事参照)。

(宮下恵輔)

(ロシア、ウクライナ、トルコ、世界)

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