ロシア、ウクライナの穀物輸出合意の無期限停止を表明

(ロシア、ウクライナ、トルコ、世界)

欧州ロシアCIS課

2022年11月01日

ロシア外務省は10月29日、黒海を経由したウクライナからの穀物輸出に関する合意の履行を無期限で停止するとの声明を発表した(10月29日付プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。クリミア半島のセバストポリ海軍基地にあるロシア黒海艦隊の船舶がウクライナ軍の攻撃を受け、民間船舶の安全が保障できないことが理由としている。また、攻撃には英国が関与していると主張した。

ウクライナのボロディミル・ゼレンスキー大統領は同日に公開したビデオメッセージで、ロシアの声明に対し「穀物輸出に関する合意停止の声明は予想どおりだ」とコメントした(10月29日付プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

国連報道官は翌30日、アントニオ・グテーレス事務総長が穀物輸出をめぐる状況について「深く懸念している」との声明を発表(10月30日プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。グテーレス事務総長は予定していたアラブ連盟サミットへの参加を遅らせ、この件の対処に当たるとした。

ウクライナ、ロシア、トルコは国連支援の下で7月22日、トルコのイスタンブールで、黒海を経由したウクライナからの穀物輸出再開に関する合意文書に署名している(2022年7月26日記事参照)。

(宮下恵輔)

(ロシア、ウクライナ、トルコ、世界)

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