カスティージョ政権の第5次内閣が発足、エネルギー鉱山省含む6閣僚が交代
(ペルー)
リマ発
2022年11月29日
ペルーのペドロ・カスティージョ大統領は11月25日、ベッツィー・チャベス新首相を任命後(2022年11月28日記事参照)、第5次改造内閣の閣僚の信任と宣誓式を行った。新内閣では、18人の閣僚のうち外相、経済財政相を含む12人が続投し、農業灌漑開発省(MIDAGRI)、生産省(PRODUCE)、エネルギー鉱山省(MINEM)、女性・脆弱(ぜいじゃく)集落省(MIMP)、文化省(CULTURA)、開発社会包括省(MIDIS)の6大臣が交代した。
日本企業の投資が集中する鉱業分野を所管するMINEMのかじを新たに握るのは、オリベリオ・ムニョス・カブレラ氏だ。同氏は技術系大学として著名な国立工科大学(UNI)卒の鉱業エンジニアで、自身のコンサルティング会社も経営する。ラス・バンバス(LAS BAMBAS)銅鉱山(注1)などにも関わっており、「持続可能な開発で鉱業の成長に貢献する」と抱負を語っている。製造業分野を担うPRODUCEのエドゥアルド・モラ・アスナラン氏は同省の漁業管理補償基金(FONCOPES、注2)の担当官や副大臣官房室下の食用・非食用漁業局の局長など漁業分野を中心に同省ポストを歴任している。
MIMPの新大臣に任命されたヘイディ・フアレス・カージェ氏は中道派アリアンサ・パラ・エル・プログレッソ(進化のための同盟:APP)党議員だったが、2022年9月、同党のセサル・アクーニャ党首とレディ・メルセデス・カモネス・ソリアーノ議会議長(当時)同士の利益誘導疑惑(2022年9月7日記事参照)の音声テープを録音したという党に対する背任行為で除籍された人物だ。さらに、離党後は中道左派のポデモス・ペルー(できるぞペルー:PP)党に入党したものの、入閣の事前相談がなかったとして同党からも除籍措置を受けている。APP党議員時代にはカスティージョ大統領の罷免決議に賛成した人物の入閣を疑問視または非難する者も少なくない(閣僚名簿は添付資料参照)。
(注1)中国の資源大手MMG(五鉱資源)運営の鉱山。
(注2)非営利の民間団体で、小規模零細漁業者の支援を目的とした基金の管理運営を行っている。
(設楽隆裕)
(ペルー)
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