旧ルノー工場でロシア車「モスクビッチ」の生産が開始

(ロシア)

欧州ロシアCIS課

2022年11月25日

モスクワ市は11月23日、旧ルノー工場においてロシア・ブランド車の組み立て生産が始まったと発表した(11月23日付プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。生産されるのは、ロシアで人気の高いクロスオーバータイプの新車種である「モスクビッチ3」。今後、電気自動車(EV)の「モスクビッチ3e」(eは「electric」を表す)の生産も予定されている(「オートノーボスチ」11月23日)。

工場の前所有者であるフランス自動車大手ルノーは、ロシアによるウクライナ侵攻(2022年2月)を機に生産を停止し、2022年5月にロシア事業をモスクワ市に売却することを決定した(2022年5月18日記事参照)。工場は6月から、「モスクワ自動車工場『モスクビッチ』」に名称が変更されていた(「インターファクス通信」6月6日)。

11月23日に開催された生産開始を祝う式典の場で、モスクワ市のセルゲイ・ソビャニン市長は「ルノーが撤退した際に人々はこれでロシアの自動車産業は終焉(しゅうえん)を迎えたと思ったが、実際には自動車産業の再生のきっかけとなった。ソ連時代のブランドである「モスクビッチ」の名のもとで、新たなモデルの生産を開始できたのは歴史的な出来事だ」と、稼働停止に陥っていた工場の再開を喜んだ。

存在感を増す中国メーカー

ウクライナ侵攻後、欧米をはじめとする自動車メーカーが相次いで生産からの撤退や合弁事業の解消を決める中、ロシアの自動車製造分野では中国に対する期待が高まっている。「モスクビッチ3」は、中国の安徽江淮汽車(JAC)のクロスオーバー車をモデルに設計された。組み立て用部品の多くは中国から輸入される(「ロシア24」11月23日)。

【欧州ロシアCIS課】

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