ドイツ製造業の9割以上、「エネルギー・原材料価格」がリスクと回答

(ドイツ)

ミュンヘン発

2022年11月08日

ドイツ商工会議所連合会(DIHK)は11月2日、2022年秋の景況感アンケート結果を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。同アンケートは、各地の商工会議所を通じ、2万4,000社以上から回答を得たもの。アンケート実施期間は9月26日~10月14日で、回答企業は製造業、建設業、商業、サービス業の4部門に分類した。

このうち製造業の回答結果(複数回答可)をみると、この先1年のビジネスリスクとして、回答企業の93%が「エネルギー・原材料価格」とした。その他のリスクとしては、「国内需要」(56%)、「専門人材不足」(54%)、「労働コスト」(51%)と続いた。

電気、ガスなどエネルギー価格の高騰への対応策については(製造業/複数回答可)、「価格への転嫁」と回答した企業は73%、「エネルギー効率化措置への投資」は50%、「別のエネルギー源への切り替え」は21%、「生産の減少」は17%となった。「生産の減少」と回答した企業はエネルギー消費量の多い原料・素材製造業が特に多く、ガラス・窯業で30%、化学で27%に上った。自動車は16%だった。また、エネルギー価格の高騰を受けて、生産を移管するとした回答した企業は8%で、うち自動車製造は17%に上った。

この先1年のビジネス見通しについては、「悪化する」と回答した企業の割合は、全体で52%となった。2022年初夏のアンケート結果から19ポイント増と見通しは悪化している。特に、製造業では17ポイント増の54%に上った。

DIHKはこれらの状況を踏まえ、ドイツの実質GDP成長率を2022年は1.2%、2023年はマイナス3.0%と予測した。

今秋に入り、他の機関の経済予測でも、2023年のドイツ経済はマイナス成長とする予測が相次いでいる。ドイツ連邦経済・気候保護省は10月12日、秋季経済予測を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます、ドイツの実質GDP成長率を、2022年は1.4%、2023年はマイナス0.4%とした。4月の春季経済予測(2022年5月10日記事参照)からそれぞれ0.8ポイント、2.9ポイント下方修正した。また、IMFは10月11日発表の「世界経済見通し」(2022年10月12日記事参照)において、ドイツの実質GDP成長率を、2022年は1.5%、2023年はマイナス0.3%と予測している。

(高塚一)

(ドイツ)

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