2023年の政府調達品の国産品比率は95%目標へ

(インドネシア)

ジャカルタ発

2022年11月04日

インドネシア政府が、政府調達における国産品の利用率を引き上げる姿勢を強めている。インドネシアの政府広報サイトによると、ジョコ・ウィドド大統領は10月11日、同国の大手銀行とメディアが行ったイベントに登壇し、省庁や地方自治体、国営企業などが国産品の調達を推し進め、中小零細企業、ひいては国内経済の強化につなげるべきだとする考えを示した(10月17日付Indonesia.go.id)。

同イベントを主催した「インベストール・デイリー」紙(10月13日)によると、2022年は10月時点で政府調達用の電子カタログ(E-カタログ)における政府調達品の購入額は654兆ルピア(約6兆2,130億円、1ルピア=約0.0095円)で、そのうち国産品が占める割合は44%に達した。2022年の政府支出は747兆ルピアの見込み。また、2023年の政府支出は1,000兆ルピアを超える想定だ。

同紙は、さらに政府が2023年の政府調達品(LKPP)における国産品比率として、95%の達成を目標としていることも報じた。政府は、製品が必要な仕様を満たしている限り、国産品の購入を優先することによって、インドネシア製品は品質が劣るとのイメージの是正を実現していく構えだ。同目標に関しては、2022年3月に公布された大統領指示2022年第2号において、省庁や地方政府の輸入調達を遅くとも2023年までに5%まで削減することが記載されている(同指示第1条第7項)。

2023年の目標に関しては、ルフット・パンジャイタン海事投資調整相が10月6日、インドネシア国家警察が行ったイベントにおいて、同目標に触れたうえで、積極的に輸入から国産品に切り替えることを促していた(「Detik.com」10月6日)。さらに、同相は「インドネシア政府はインドネシア製品を優先する。各省庁や国営機関でE-カタログの活用することで、国産品を増加させる」とし、「国産品の利用が増えると、雇用の吸収や福利厚生の向上に影響する」と期待を示すコメントもしている(「インベストール・デイリー」紙10月13日」)

なお、「インベストール・デイリー」紙によると、2022年8月末で、E-カタログを活用した購入プロセスが、中央政府、地方政府から国営企業まで既に始まっている。すでに3万169点の国産品が購買された(10月13日)。

ジェトロによる、インドネシアの国産品優先政策についての関連情報は以下のとおり。

(中沢稔)

(インドネシア)

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