1~9月の対内直接投資は前年同期比29.5%増、ニアショアの動きも増加要因に
(メキシコ)
メキシコ発
2022年11月28日
メキシコ経済省は11月22日、2022年1~9月の対内直接投資のパフォーマンスレポートを発表した。同レポートによると、メキシコにおける2022年1~9月の対内直接投資額(速報値)は321億4,740万ドルで、2021年の248億3,170万ドル(当初発表値、注)と比べ29.5%増加した。2022年1~9月の対内直接投資額は1~9月としては1999年以来、最も高くなった。
対内直接投資の登録件数は、外国法人の現地法人が3,030件、外資による信託契約が4,404件、外国法人(支店)が21件となっている。同期間における投資の内訳は、新規投資が45.2%、利益再投資が43.7%、親子間勘定が11.1%という割合だった。さらに、業種別にみると、製造業が36.3%と圧倒的に多く、次に運輸が14.5%、マスメディアが13.6%、金融サービスが11.6%と続いている。
同期間における対内直接投資の国別順位は、米国が39.1%と依然として高い投資額を誇っており、次いでカナダが9.5%、スペイン7.1%、アルゼンチン4.9%、日本3.9%という順位となった。また、メキシコ国内における州ごとの対内直接投資の流入率は、メキシコ市が32%で、ヌエボ・レオン州が8.7%、ハリスコ州が7.5%、チワワ州とグアナファト州が5.2%となっており、32州のうち15州で86.2%を占める状態となっている。
対内直接投資の増加要因として、ニアショアリングを挙げる声も
今回発表された投資案件の中には、ドイツの自動車大手フォルクスワーゲン(VW)が2022年から2025年にかけて7億6350万ドルを投じて、プエブラ工場の近代化および持続可能なエネルギーを利用した電気自動車向けの塗装工場を新設することが挙げられている(2022年11月4日記事参照)。対内直接投資を勢いづける要因として、パンデミックによって発生したサプライチェーンの分断によるニアショアリングの流れが、投資や意向を後押しする1つの要因と分析する声がある(現地紙「レフォルマ」11月23日)。ベ・ポル・マス銀行のエコノミストであるアレハンドロ・サルダーニャ氏は、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の庇護(ひご)のもとで、ニアショアリングは少なくとも直近10年間で最大のメキシコへの対内直接投資を誘致する歴史的な年を生み出す可能性があると予想している(「レフォルマ」紙11月21日)。
(注)対内直接投資統計は、当該期間に投資された案件がかなり後になって届け出されることが多く、時間が経過するにつれて過去の数字が上方修正される。同じ条件で比較するためには、前年同期については現時点で集計されている数字ではなく、当初発表された数字と比較する必要がある。
(阿部眞弘)
(メキシコ)
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