VW、7億6,350万ドルの拡張投資を発表、EV生産も計画

(メキシコ、ドイツ)

メキシコ発

2022年11月04日

ドイツ自動車大手フォルクスワーゲン(VW)は10月27日、メキシコ中部プエブラ州に立地する工場に7億6,350万ドルを追加投資して、電気自動車(EV)向けの塗装工場の建設に着手するとともに、2024年末の新型SUV(スポーツ用多目的車)の製造開始や2026年以降にEVの組み立てを開始する計画を明らかにした。

2022年10月27日に行われた新塗装工場の起工式には、プエブラ州のミゲル・バルボサ知事やオリビア・サロモン州政府の経済長官に加え、VW米国法人のCEO(最高経営責任者)パブロ・ディ・シ氏、同メキシコ代表のオルガール・ネスレ氏らが出席した。ネスレ氏は「メキシコでの操業55周年を迎えた今、当社は車の輸出と販売においてプエブラ工場を世界レベルで最も重要な拠点に位置付けることに成功した」と強調した(「エル・エコノミスタ」紙10月27日)。300ヘクタールの広さを誇る同社のプエブラ工場はメキシコ国内最大規模で、欧州域外工場の中でもトップレベルの規模を誇る。

一方、パブロ・ディ・シ氏は、この投資は20~30年の長期スパンで考えられているもので、プエブラ州との取り決めに従い、今後、同州でEVの生産に投資していくことを明らかにしている(プエブラ州政府プレスリリース10月27日付外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。10月27日付の現地紙「エクスパンシオン」によると、同投資は、米国政府が推進する消費者向けのEV税額控除の動きへの対応に加えて、北米におけるEV生産の拡大やUSMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)の域内調達要件を満たすための地域戦略の一部としている。

(渡邊千尋)

(メキシコ、ドイツ)

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