エネルギー価格の高騰で、2022年1~9月は貿易赤字が増加

(トルコ)

イスタンブール発

2022年11月08日

トルコ統計機構(TUIK)の発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(10月27日付、暫定値)によると、2022年1~9月の輸出は前年同期比17.0%増の1,881億5,200万ドル、輸入は40.4%増の2,712億4,900万ドルで、輸入超過により貿易赤字は同2.6倍の831億ドルとなった。9月単月では、輸出は前年同月比9.2%増の226億1,200万ドル、輸入は鉱物性燃料や貴金属、中間財の伸びが著しく、輸出の伸び率を大きく上回る38.1%増の322億800万ドルだった。

輸出を品目別にみると、鉱物性燃料が前年同期から倍増し、最大の寄与となった。次いで鉄鋼製品(26.9%増)、プラスチック製品(20.9%増)が大きく伸びた。最大の輸出品目である自動車・同部品は5.7%増、一般機械は5.9%増だった。一方、上半期に好調だった鉄鋼(2022年8月8日記事参照)は、第3四半期(7~9月)に減少傾向となり、1~9月は1.5%増に鈍化した(添付資料表1参照)。

国・地域別の輸出では、全体の41.3%を占めるEU向けが前年同期比15.7%増と、上半期の前年同期比21.7%増に比べると鈍化したが、ドイツ、イタリア、オランダ向けなどは2桁増で好調だった。国別の伸び率では、ロシア(43.2%増)、イラク(29.7%増)、オランダ(23.6%増)向けが好調だった(添付資料表2参照)。

輸入を品目別にみると、最大の輸入品目の鉱物性燃料が、世界的なエネルギー価格の高騰と通貨トルコ・リラ安の影響で、前年同期比で2.3倍となった。次いで、金を主体とする貴金属類の伸びが2.4倍と著しかった。また、鉄鋼(15.5%増)やプラスチック製品(18.9%増)などが2桁の伸びとなったが、9月単月ではともにマイナス(それぞれ14.8%減、5.8%減)だった(添付資料表3参照)。

国・地域別の輸入では、天然ガスを主力とするロシアからの輸入が2.2倍と急伸している。その他、中国が35.0%増、金需要の増加でスイスが3.3倍となった。EUからは8.5%増だった(添付資料表4参照)。

メフメト・ムシュ貿易相は、輸出が好調だったにもかかわらず貿易赤字が増加した要因について、エネルギー価格高騰の影響でエネルギーの輸入額が増加し、1~9月の輸入総額の約3分の1を占めたことによると述べた外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

(中島敏博)

(トルコ)

ビジネス短信 8886f461b8b151e0