ABCマート、ホーチミンにベトナム1号店をオープン、東南アジア初進出

(ベトナム)

ホーチミン発

2022年11月08日

靴小売店の「ABCマート」を展開するエービーシー・マートは1029日、ベトナム1号店となる店舗をホーチミン市内にオープンした。同社の海外事業としては、韓国、台湾、米国に次ぐ4カ国・地域目の展開となり、東南アジアへの進出としては初となる。

1号店は、ホーチミン市の中心地である、1区のドンコイ通りとレタントン通りの角地にある外資系百貨店パークソンの2階にあり、周辺には多くのブランドショップや高級ホテルが立地する。

オープンした1029日の週末には、ベトナム人の若者のほか、日本人を含めた多くの外国人が訪れた。ABCマートの担当者によると、「店舗を訪れるベトナム人は20代から30代前半の若者が中心だ」という。また、「グローバルブランドの商品の中にはABCマート限定品なども取りそろえており、そういった商品にも魅力を感じてもらえている」と話した。

同社のプレスリリースによると、ベトナムに進出を決めた理由として、東南アジアの新興国の中でも近年、目覚ましい発展を遂げており、人口の増加を背景に成長性が極めて高い市場であること、若年層を中心に購買意欲が高いことなどを挙げている。

実際にベトナムの小売・サービス売上高は、新型コロナウイルス流行前の2019年までの過去10年間で年率10%以上の成長を続けており、2009年比で3.5倍の成長を遂げた。新型コロナ流行下の2020年は前年比1.7%成長にとどまり、2021年はマイナス3.8%に停滞したが、2022110月(推計)は前年同期比20.2%成長となっている。国内市場が復調しており、ベトナム統計総局は2022年通年のGDP成長率が7.58.0%になるとの見通しを示している(2022年10月11日記事参照)。

同社のプレスリリースによると、1215日にはベトナム2号店をホーチミン市2区にオープンする予定で、2023年度までに首都ハノイ市を含め、ベトナム国内で6店舗の出店を計画している。

写真 ベトナム1号店の店内(エービーシー・マート提供)

ベトナム1号店の店内(エービーシー・マート提供)

(三木貴博)

(ベトナム)

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