東京電力リニューアブルパワー、英洋上風力企業を買収予定と発表

(英国、日本)

ロンドン発

2022年11月08日

東京電力リニューアブルパワーは11月1日、洋上風力事業を手掛ける英国のフローテーションエナジー株主との間で発行済み株式の100%を取得する契約を締結した(フローテーションエナジーの11月2日付発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますおよび東京電力リニューアブルパワーの同日付発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

フローテーションエナジーは2018年、世界最大級の浮体式洋上風力発電所であるスコットランドのキンガ-ディン発電所などの開発に携わったニコル・スティーブン氏とアラン・マカスキル氏が創業。スコットランド・エディンバラに本社を置き、大規模なインフラプロジェクトのマネジメントやエンジニアリングに強みを持っている。英国では、アイリッシュ海モーカム〔着床式、0.48ギガワット(GW)〕、ケルト海ホワイトクロス(浮体式、0.1GW)での洋上風力発電所の開発について優先交渉権を取得している。また、英国、アイルランド、台湾、日本、オーストラリアの5つの国・地域で計12GWの開発計画を有している。日本では、2021年12月に商船三井と日本での洋上風力発電事業開発における協業について合意PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)していた。

東京電力リニューアブルパワーは、2020年4月に東京電力ホールディングスから、完全子会社として再生可能エネルギー発電事業を承継。今回の買収は、同社初の海外風力事業への出資となる。

英国の再エネ業界団体リニューアブルUKが10月11日に発表した報告書外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによれば、発表済みの浮体式洋上風力プロジェクトの設備容量で英国は世界トップとなっている。英国政府は、2022年4月に発表した「エネルギー安全保障戦略」において、2030年までに洋上風力を最大50GW導入し、うち浮体式は最大5GWとする目標を掲げている(2022年4月13日記事参照)。

このほか、英国における浮体式風力発電に関わる日系企業の動向として、スコットランドの洋上風力発電事業の開発に関する海域リース権益を対象とした入札では、丸紅が英国再生可能エネルギーSSEリニューアブルズとデンマークの投資会社との3社連合で応札し、最大容量2.61GWの浮体式洋上風力発電事業の開発を行うプロジェクトを落札、開発事業者として選定された(2022年1月17日記事参照)。

(菅野真)

(英国、日本)

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