スコットランド洋上風力、海域リース権益の入札結果を発表

(英国)

ロンドン発

2022年01月21日

英国のスコットランド周辺の海底を管理するクラウンエステート・スコットランド(注)は1月17日、約10年ぶりとなるスコットランドの洋上風力発電事業の開発に関する海域リース権益を対象とした入札(ScotWind)の結果を発表した。合計74件の公募の中から17件のプロジェクトを選んだ。これらのプロジェクトに対しては、特定の海底の権利を確保する合意案が提供され、事業者が承認すれば、開発段階に進むことになる(添付資料「図 落札事業者のプロジェクト位置」、「表 落札事業者の選定結果」参照)。これらのプロジェクトにより、数十億ポンド(1ポンド=約156円)がスコットランドでの洋上風力関連のサプライチェーンに投じられる見込み。

17件のプロジェクトの合計容量は約25ギガワット(GW)で、国内で稼働中の洋上風力発電容量の約2.2倍となる。このうちの10件、容量にして約15GWは、浮体式洋上風力発電プロジェクトだ。最大容量は、英エネルギー大手スコティッシュ・パワー(スペインエネルギー大手イベルドローラ傘下)の子会社スコティッシュ・パワー・リニューアブルズと英石油大手シェルの3,000メガワット(MW)の浮体式洋上風力発電プロジェクトだった。このほか、欧州の主要エネルギー企業では、英石油大手BPとドイツ電力会社EnBWなどの2,907MWの着床式プロジェクト、シェルなどの2,000MWの浮体式プロジェクト、フランスのエネルギー企業エンジーなどの1,000MWの着床式プロジェクト、デンマークエネルギー企業オーステッドなどの1,000MWの浮体式プロジェクトが落札した。

日系企業では、丸紅が英電力会社SSEの再生可能エネルギー子会社SSEリニューアブルズとデンマークの投資会社コペンハーゲン・インフラストラクチャー・パートナーズとの3社連合で応札し、最大容量2,610MWの浮体式洋上風力発電事業の開発を行うプロジェクト(添付資料図と表の2番)を落札、開発事業者として選定された。

(注)英国王のスコットランド資産を管理するスコットランド自治政府の公的企業。洋上風力発電所を建設するには、クラウンエステート・スコットランドから建設権利を得る必要がある。

(宮口祐貴)

(英国)

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