習国家主席、APEC非公式首脳会合で演説、2023年に第3回「一帯一路」フォーラム開催を検討

(中国)

北京発

2022年11月24日

中国の習近平国家主席は11月18日、タイのバンコクで開催されたAPEC首脳会議の非公式会合で「団結と協力によって勇敢に責任を担い、アジア太平洋運命共同体を構築する」と題する演説を行った。習国家主席はそこで、(1)国際的な公平と正義を維持し、平和で安定的なアジア太平洋を建設する、(2)開放と包摂を堅持し、ともに豊かになるアジア太平洋を建設する、(3)グリーンで低炭素な発展を堅持し、清潔で美しいアジア太平洋を建設する、(4)運命をともにすることを堅持し、互いに助け合うアジア太平洋を建設するという4つの提案を行った。

そのうち、(2)では、開放的な地域主義の堅持、より緊密な地域の産業チェーン・サプライチェーンの構築、ハイレベルなアジア太平洋自由貿易圏の早期建設などについて提起したほか、関係各方面とともに、地域的な包括的経済連携(RCEP)協定を高水準に実施することや、環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定(CPTPP、いわゆるTPP11)、デジタル経済連携協定(DEPA)への加入を引き続き推進すること(注)、2023年に第3回「一帯一路」国際協力ハイレベルフォーラムの開催を検討することにも言及した。

同フォーラムは各国・国際機関などから首脳級を含む要人が多数参加するイベントで、2017年5月(2017年5月18日記事参照)と2019年4月(2019年5月20日記事2019年5月22日記事参照)にいずれも北京市で開催されている。開催が実現すれば4年ぶり、新型コロナウイルス感染拡大以降では初となる。

なお、CPTPPに関して、商務部は10月27日、加入プロセスを積極的に推進するため、中国側はCPTPPの規則について全面的かつ詳細に調査・評価し、加入に当たって必要と思われる改革措置や法律法規をリストアップしたと明らかにした。その上で、引き続き改革の深化を通じて同協定の規則の基準を全面的に満たし、かつ、市場アクセスの分野で、中国が現在締結している条約などを超える高いレベルの開放の約束を行うよう努力すると表明している。

(注)中国は2021年9月16日にCPTPPへの加入申請を行った(2021年9月17日記事参照)ほか、同年11月1日にはDEPAへの加入を申請している(2021年12月2日記事参照)。

(小宮昇平)

(中国)

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