中銀、1980年代以来最大の上げ幅の政策金利引き上げを発表
(英国)
ロンドン発
2022年11月04日
英国イングランド銀行(中央銀行)は11月3日、政策金利を0.75ポイント引き上げて、年3.00%とすると発表した。2021年12月以降8会合連続の利上げとなった。前日の2日の金融政策委員会(MPC)では、0.25ポイントや0.50ポイントの引き上げをそれぞれ1人が支持した。他の委員7人は、より大きな引き上げは中期的にインフレ率を目標の2%に持続的に戻し、より長くコストのかかる引き締めを後に行うことのリスクを減らすとして、0.75ポイント引き上げを支持した。
MPCは、エネルギー価格の高騰と金融条件の大幅な引き締めが消費を圧迫し、GDPは2023年と2024年の上半期を通じて減少を続けると予測している。9月に10.1%に達した消費者物価指数(CPI)上昇率は、2022年第4四半期(10~12月)に約11%のピークに達し、その後2023年初頭から低下し、2年後には目標の2%を下回ると予測している。金融市場は政策金利のピークが2023年第3四半期(7~9月)に5.25%になると予想していたが、11月のMPC前はピーク予想を2023年下半期の4.75%に引き下げていた。MPCは、インフレ率を中期的に2%目標に戻すために、各会合で適切な政策金利の水準を検討するとしている。
今回の決定は、先日発表された米国連邦準備制度理事会(FRB)と欧州中央銀行(ECB)の0.75ポイント引き上げに匹敵するものとなった(2022年9月22日記事、2022年10月28日記事参照)。
国立経済社会研究所(NIESR)は、政策金利が予測されている約5%に達した場合、変動金利住宅ローンの返済額は2倍になり、変動金利住宅ローンを利用している250万世帯に影響が及び、さらに3万世帯で毎月の住宅ローン返済額が月収を上回る可能性があると示している。
(島村英莉)
(英国)
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