税制改正法案を議会で可決、鉱業分野の法人税上乗せ税と健康税を新たに導入

(コロンビア)

ボゴタ発

2022年11月09日

コロンビア議会で審議されていた税制改正法案(2022年10月11日記事参照)は11月2日に上院で賛成63票、反対13票、翌3日に下院で賛成125票、反対20票でそれぞれ可決された。同法案は両院協議会で一部の条文に関する最終協議を行った後、大統領署名を経て成立となる。最終的な増収額は20兆ペソ(約6,000億円、1ペソ=約0.03円)規模と、当初案から5兆ペソ縮小される見込み。

両院本会議で可決された法案では、炭化水素および鉱業部門の法人税への上乗せ課税は、国際価格の変動に応じ、価格上昇に応じて高い税率が課されることになった。原油については、課税年度のブレント原油の平均価格が過去10年の月平均価格の30パーセンタイル(注1)以下の場合上乗せ課税はなく、標準税率の35%となる。30~45パーセンタイルの場合、上乗せ税率は5%、45~60パーセンタイルは10%、60パーセンタイル以上では15%となる。石炭については、45パーセンタイル以下は上乗せ課税なし、45~60パーセンタイルの場合5%、60パーセンタイル以上は10%と定めた。

また、今回可決された税制改正法案では、新たに健康税が導入される。健康税は加糖飲料や、しょうゆなどの調味料を含む超加工食品を対象とし、課税額または課税率が以下のとおりとなる〔具体的な対象品目とその関税分類番号(HSコード)は添付資料表参照〕。

  • 加糖飲料: 砂糖含有量が100ミリリットル当たり6~10グラムの飲料については、課税額が100ミリリットル当たり2023年は18ペソ、2024年は28ペソ。10グラム以上の飲料では、2023年が35ペソ、2024年が55ペソ。2025年については、砂糖含有量が100ミリリットル当たり5~9グラムの飲料が100ミリリットル当たり38ペソ、9グラム以上の飲料の場合は65ペソ課税される。2026年以降の税額は、課税基準単位(UVT、注2)に基づいて毎年決定される。
  • 超加工食品: ナトリウム含有量が100グラム当たり300ミリグラム以上または1キロカロリー当たり1ミリグラムの食品、砂糖含有量および飽和脂肪酸量が総エネルギーの10%以上の食品に対しては、2023年10%、2024年15%、2025年以降20%の健康税が課税される。

(注1)全体を100として小さい方から数えて何番目になるのかを示す数値で、50パーセンタイルが中央値。

(注2)課税対象額や範囲を単位表示として制度化したもの。1UVT当たりの額は消費者物価指数の変動に基づいて調整し、国家統計庁(DANE)が毎年10月ごろに発表する。2023年の1UVTは4万2,412ペソ。

(茗荷谷奏)

(コロンビア)

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