日本に秘める技術を海外へ、米トップVC招き、ジェトロなどが「BRAVE GLOBAL」初開催

(日本、米国)

イノベーション促進課

2022年11月30日

ジェトロは、「ビヨンド・ネクスト・ベンチャーズ(Beyond Next VenturesBNV)」、沖縄科学技術大学院大学(OIST)とともに、102224日、日系ディープテックスタートアップ向けの短期集中アクセラレーションプログラム「ブレブ・グローバル(BRAVE GLOBAL外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」をOISTで開催した。参加したスタートアップ8社は、インサイト・パートナーズ(Insight Partners)やHOF Capitalなど米国トップレベルのベンチャーキャピタル(VC)・投資家からなる14人の海外メンターによるメンタリングやディスカッションを通して、海外からの資金調達や海外展開を成功させる重要な要素を学んだ。参加者からは「海外展開を真剣に考えるきっかけになった」「投資家に伝わるピッチを行うためには、内容をよりシンプルにすることが非常に重要だとわかった」といった声が上がった。プログラムの様子外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます参加スタートアップのピッチ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは、それぞれリンクから閲覧可能となっている。

資金調達時にカギとなるピッチ、そのピッチ力向上の秘訣とは

海外投資家によるパネルディスカッションでは、海外展開の課題やディープテックスタートアップならではの資金調達の難しさなどをテーマに議論が展開された。中でも、世界中の起業家が集結する本場米国と日本では、スタートアップのピッチレベルに大差があると指摘され、ピッチ力向上の秘訣として以下4点が挙げられた。

1)結果を先に述べる

2)自分のピッチを録画・視聴する

3)専門知識の有無を問わず、英語ネーティブに見てもらう

4)数多くの投資家にピッチを披露し、フィードバックをもらう

登壇者以外からも質問や意見が飛び交い、複数回の起業経験を持つメンターからは「ピッチはプレゼンテーションとは違い、一度に全ての情報を盛り込むものではない。毎日数々の引き合いがある投資家に少しでも自分を印象付けるため、質問したくなるような工夫を入れることが重要だ」という意見が共有された。

写真 メンタリングの様子(BNV撮影)

メンタリングの様子(BNV撮影)

このプログラムでは、パネルディスカッションによる参加者全体へのノウハウ共有のみならず、スタートアップ各社に対し複数回にわたるきめ細やかなメンタリングが行われた。また、事業戦略や海外市場参入へのマインドセットなどの変化を通じてブラッシュアップされたピッチが最終日に披露された。初日のピッチから期待以上に質が上がり、参加したメンターからは「短期間でのこの伸び率は素晴らしい」とのコメントがあった一方で、「依然として米国スタートアップのレベルには及んでいない」という声も上がった。

メンターからは、海外市場挑戦の場に出ていない日本のディープテックスタートアップへの期待感が示された。ジェトロはこれらに対応するため、グローバル・アクセラレーション・ハブ(GAHで現地メンターによるメンタリングサービスなどを行うとともに、国内外のエコシステムと連携し、日系スタートアップの海外展開を支援していくことにしている。

(加藤優花)

(日本、米国)

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