米財務省、EV税額控除を巡り、業界関係者とのラウンドテーブルを開催

(米国)

ニューヨーク発

2022年11月08日

米国財務省は11月4日、2022年8月16日に成立したインフレ削減法(2022年8月17日記事参照)に関し、自動車業界の利害関係者とのラウンドテーブルをオンラインで開催外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。財務省のリリー・バチェルダー次官補(税務政策担当)とジョン・モートン顧問(気候変動担当)が主導し、自動車業界団体、車両メーカー、バッテリーメーカー、労働組合など32社・団体が参加した。

インフレ削減法には、新車のクリーンビークル〔バッテリー式電気自動車(BEV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)、燃料電池車(FCV)〕の購入者に対する1台当たり最大7,500ドルの税額控除が盛り込まれている。一方、税額控除の対象車両に求められる要件の達成が困難だとして、生産者を含め各方面から見直しを求める声が上がっている。財務省は、新車および中古車に対する税額控除の運用について、2022年12月31日までに各種ガイダンスを発表する予定となっており、今回のラウンドテーブルは同ガイダンスの作成に向けた意見聴取の一環とみられる。なお、ラウンドテーブルに参加した団体は以下のとおり。

  • 業界団体および労働組合:自動車イノベーション協会(AAI)、米国金融サービス協会、オートズ・ドライブ・アメリカ、電池材料・技術連合、電気駆動車協会、全米自動車ディーラー協会、全米自動車労働組合、ゼロエミッション輸送協会
  • 自動車メーカー:ゼネラルモーターズ(GM)、フォード、ステランティス、テスラ、リビアン、ルーシッドモーターズ、トヨタ、ホンダ、日産、スバル、マツダ、三菱自動車、現代、起亜、フォルクスワーゲン、メルセデスベンツ、アウディ、BMW、ボルボ、ジャガー・ランドローバー
  • バッテリーメーカー:パナソニック、LG エナジーソリューション、サムスンSDI、SKオン

財務省はラウンドテーブルに先駆け、パブリックコメントも募集しており(2022年10月11日記事参照)、11月4日の締め切り時点で、652件のコメントが確認された(連邦政府ポータルサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを参照)。米国国際自動車ディーラー協会(AIADA)は提出したパブリックコメントの中で、「財務省のガイダンスがEV市場の現実を考慮していなければ、貿易相手国や韓国、日本、EU、英国などの揺るぎない同盟国との関係が危うくなる」と述べ、実現可能性のある内容を盛り込むよう求めた。また、EV新興メーカーのリビアンは、税額控除の対象車両に求められるバッテリーの調達価格要件のうち、重要鉱物について「『加工(processing)』の定義をもっと明確にすべきだ」と述べた上、原材料ではなく化合物の調達価格割合を採用するよう提案した。また、同社はバッテリー部品の調達価格割合に関しても、「最終組み立てが北米で行われる場合(北米産ではない部品を使用する場合であっても)、当該割合にカウントされるべきだ」とコメントした。さらにフォードは、議決権の保有比率にかかわらず米国内に所在するサプライヤーは米国企業とみなし、議決権の保有比率が50%以下であれば、非米系企業あっても「懸念される外国の事業体」の定義から除外するよう要請した(ブルームバーグ11月4日)。

(大原典子)

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