10月の米消費者物価、前年同月比7.7%上昇、コア指数は6.3%上昇でともに伸び鈍化

(米国)

ニューヨーク発

2022年11月11日

米国労働省が11月10日に発表した10月の消費者物価指数(CPI)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)は、前年同月比7.7%上昇となり、前月の8.2%から減速し、民間予想の7.9%を下回った。8~9%台の伸びが続いていた中、7%台の伸びは2月以来となった。変動の大きいエネルギーと食料品を除いたコア指数も6.3%上昇で前月の6.6%から鈍化し、民間予想の6.5%を下回った。前月比ではCPIは0.4%上昇(前月:0.4%上昇)、コア指数は0.3%上昇(0.6%上昇)となり、こちらも民間予想(それぞれ0.6%、0.5%上昇)を下回った(添付資料「表 消費者物価指数の伸び率詳細」、「図 米消費者物価の推移(前年同月比)」参照)。

品目別に前年同月比でみると、ガソリンは17.5%上昇(前月:18.2%上昇)と伸びが鈍化したものの、前月比では4.0%と4カ月ぶりにプラスに転じた。食料品は10.9%上昇(11.2%上昇)と若干伸びが鈍化、特に伸びが高い家庭用食品も12.4%上昇(13.0%上昇)と2カ月連続で伸びが鈍化した。財は5.1%上昇(6.6%上昇)と伸びが大きく鈍化した。うち、中古車は2.0%上昇(7.2%上昇)、前月比では2.4%減と4カ月連続で低下した。新車は8.4%上昇と6カ月連続で鈍化、前月比でも0.4%上昇(0.7%上昇)と伸びが鈍化した。一方でサービスは、6.7%上昇(6.7%上昇)と前月と同じだったが、物価全体の約3割のウエートを占める住居費が6.9%上昇(6.6%上昇)と引き続き伸びが加速している。そのほか、前月に大きく伸びた医療サービスは5.4%上昇(6.5%上昇)と伸びが鈍化した。

CPIの減速は4カ月連続で、今回は財価格の大幅な鈍化が主要因となっており、新車や中古車をはじめ、衣料品などでも鈍化が広がり、急激な金融引き締めが実体経済にも波及し始めたかたちだ。今後さらに物価が鈍化していくかは、サービス価格、特にウエートが大きい上に引き続き伸びが加速している住居費がいつ鈍化するかによるところが大きい。代表的な住宅価格指数であるケース・シラー住宅価格指数の8月の前月比は1.1%減と低下に転じたのに加えて、ニューヨーク市マンハッタンなど大都市での賃料が低下し始めている(2022年9月26日記事参照)。しかし、CPIの住居費は更新家賃も含めたものであることなどから、まだ伸びの鈍化には至っていない。これまで伸びが鈍化し続けてきたガソリン価格も10月は一転、前月比では上昇に転じており、再び物価の押し上げ要因となる可能性もある。11月8日に投開票が行われた中間選挙の出口調査では、調査回答者の32%がインフレ問題を重視したと回答しており、米国民の最大の関心事項となっている(NBCニュース11月8日)。選挙後も引き続き、連邦政府のインフレ対策は有権者の高い関心事項と考えられ、住居費の鈍化がいつ表れ、物価の鈍化が今後も続くか、CPIの結果に注目が集まる。

(宮野慶太)

(米国)

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