2021年カナダ国勢調査、移民割合が建国以来最高の23%に

(カナダ)

トロント発

2022年11月04日

カナダ統計局は10月26日、移民人口の最新動向をまとめた2021年国勢調査の第6回の結果を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますし、人口の4分の1近く(23.0%)に当たる830万人以上がカナダへの移民(注)であることが明らかになった。この割合は、1921年に記録した22.3%を上回って建国以来最高となり、G7の中でも最高となった。統計局では、本統計で明らかになった、ほかの特筆すべき点として、以下を挙げている。

  • 2016~2021年に130万人強の新規移民がカナダに永住し、カナダの国勢調査で記録された新規移民数としては最多となった。
  • 2016~2021年時点での新規移民の出身地は、中東を含むアジアが62.0%と最も多く、1971年時点の12.1%から大幅に増加した。一方、欧州からの移民の割合は減少し続け、1971年の61.6%から2021年には10.1%まで落ち込んだ。
  • 出生地別の移民数では、初めてインドが最多となり(2016~2021年の新規移民の18.6%)、次いでフィリピン(11.4%)、中国(8.9%)の順となった。日本(0.3%)は49番目だった。
  • 2021年時点の移民の半数以上(56.3%)は、経済カテゴリーで入国した。約75万人の経済移民のうち、3分の1強(34.5%)が熟練就労者プログラム、さらに3分の1(33.6%)が州指名プログラムを通じて選ばれた。
  • 大西洋岸州への定住移民の割合は過去15年間でほぼ3倍になり、2006年の1.2%から2021年には3.5%に上昇した。

なお、統計局は、前回2016年の国勢調査の結果を基に、2041年の人口推計を発表している(2022年9月14日記事参照)。移民は今後数十年にわたり増え続けると見込んでおり、移民が総人口に占める割合は2016年の21.9%から、2041年には、29.1~34.0%になると予想している。

(注)カナダ統計局の定義する「移民」には、永住権(Permanent Residency)取得者や、過去に永住権を取得後、帰化によってカナダ国籍を取得した者が含まれる。また、永住権取得者のカナダ生まれの子供や、就労ビザや就学ビザなどによる滞在者は含まれない。

(飯田洋子)

(カナダ)

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