カナダの将来人口推計、2041年に移民とその子供が半数に

(カナダ)

トロント発

2022年09月14日

カナダ統計局は9月8日、カナダの移民と民族文化の多様性に関する2041年の人口推計を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。本予測は2016年の国勢調査結果に基づくもので、現在の傾向が続けば、2041年の推計総人口4,770万人のうち、移民またはカナダで生まれた移民の子供は2,500万人に達し、総人口の52.4%を占めることになるという。2016年時点では、総人口に占める割合は40.0%で1,440万人だった。

また、総人口に占める移民の割合は、2016年の21.9%に比べ、2041年には29.1~34.0%となり、1867年のカナダ建国以来、過去最高水準に達する見込み。統計局では2022年8月にカナダの人口動態予測を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますしており、人口増加の主因は、1990年代初頭からの傾向と同様、向こう数十年にわたって移民になると予測している。

加えて、2041年には、カナダ人の4人に1人はアジアまたはアフリカ生まれとなることや、カナダ人の約5人に2人が南アジア系、中華系、黒人、フィリピン系、ラテンアメリカ系、アラブ系、東南アジア系、西アジア系、韓国系、日系などの「人種別集団」(注)に属することなどの予測も示された。

また、地域別では、移民は引き続きトロント、モントリオール、バンクーバー地域に集中するとした。特に大トロント都市圏は、今後も最大の都市圏として最も多くの移民を受け入れ、2041年には5人に4人が外国生まれ、または移民の子供になると予測している。人種別では、最多の南アジア系集団が2016年比で最大約3倍の320万人に増加し、この集団だけで同都市圏の「人種別集団」人口のうちの38.6%を占めるとしている。

また、バンクーバー都市圏では、最大の人種集団である中華系は2016年比で最大約1.9倍の97万人、南アジア系は約2.8倍の86万人へと増加し、同都市圏の「人種別集団」人口のうち、この2集団でそれぞれ31.7%と27.9%を占めるとしている。

なお、本予測は2016年国勢調査結果に基づくが、統計局では2021年の国勢調査結果を2022年2月から順次公表しており、2021年の移民に関する人口統計は10月26日に発表の予定となっている。

(注)統計局によると、「人種別集団」の定義は、国勢調査時の「可視少数派(Visible Minority)」と同義。雇用平等法では、可視少数派を「先住民を除く、人種または色が白人でない人」と定義しており、主に、南アジア系、中華系、黒人、フィリピン系、ラテンアメリカ系、アラブ系、東南アジア系、西アジア系、韓国系、日系のグループから構成される。

(飯田洋子)

(カナダ)

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