米GMがオーストラリア探鉱会社と提携、EVバッテリー用ニッケルとコバルトの購入権を確保

(米国、オーストラリア)

ニューヨーク発

2022年10月14日

米国自動車メーカーのゼネラルモーターズ(GM)は10月12日、オーストラリアの探鉱会社であるクイーンズランド・パシフィック・メタルズに戦略的な投資を行い、電気自動車(EV)用バッテリーの原料となるニッケルとコバルトの新たな供給源を確保すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。EVの普及が進む中、GMは同社との提携を通じ、より安定的なバッテリーの生産体制を構築したい考えだ。

ニッケルとコバルトは、EV用リチウムイオンバッテリーの正極材に利用され、2022年8月16日に成立したインフレ削減法では、重要鉱物に指定されている。同法成立により、EV購入者に対する税額控除の要件として、2023年以降、購入するEVのバッテリーに含まれる重要鉱物が、一定の割合(調達価格ベース)で米国または自由貿易協定(FTA、注)の締結国で抽出または処理、あるいは北米内でリサイクルされる必要がある。また2025年以降、「懸念される外国の企業体」で抽出または処理、あるいはリサイクルされた場合は税額控除の対象外となる(2022年8月5日記事参照)。

今回の契約対象となるのは、クイーンズランド・パシフィック・メタルズが2023年に建設開始を予定しているタウンズビル・エネルギー・ケミカルハブ(TECH)プロジェクト。TECHでは、ニューカレドニアで採掘されたニッケル鉱石から、バッテリー材となる硫酸コバルトと硫酸ニッケルを生産する。GMは今回の契約を通じ、このプロジェクトに最大6,900万ドルを投資し、プロジェクトの立ち上げ後少なくとも15年間、両製品の購入権を得ることになる。

GMは2022年4月にも、スイスに本社を置く鉱山開発企業グレンコアとの間で、オーストラリア西部の都市レオノーラにあるマリンマリン鉱山から採掘されるコバルトの調達契約を締結するなど、バッテリー材料の積極的な確保に取り組んでいる(2022年4月21日記事参照)。GMのグローバル購買・サプライチェーン部門のバイスプレジデントであるジェフ・モリソン氏は「当社は、クイーンズランド・パシフィック・メタルズとの提携により、FTA締結国から安全でコスト競争力のあるニッケルとコバルトを長期的に調達し、急成長するEV生産のニーズに対応できるようになる」と述べた。

(注)オーストラリア、バーレーン、カナダ、チリ、コロンビア、コスタリカ、ドミニカ共和国、エルサルバドル、グアテマラ、ホンジュラス、イスラエル、ヨルダン、韓国、メキシコ、モロッコ、ニカラグア、オマーン、パナマ、ペルー、シンガポール、USMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)。

(大原典子)

(米国、オーストラリア)

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