TPP11承認法案、上院投票は10月11日に

(チリ)

サンティアゴ発

2022年10月07日

チリ上院は10月4日、環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定(CPTPP、いわゆるTPP11)の承認法案について、上院本会議での投票を同月11日に行うことで合意したと発表した。同法案は9月28日、約3年ぶりに審議が再開されたものの、投票は先延ばしにされていた(2022年10月3日記事参照)。4日に行われた2度目の審議では、ホセ・ミゲル・アウマダ国際経済関係次官官房(SUBREI)も出席し、同法案に対する政府の意向について説明した。

アウマダ国際経済関係次官は政府を含む反対派の懸念材料となっているTPP11第9章第B節「投資家と国との間の紛争解決(ISDS)」メカニズムについて、「今日、国際的に行われている議論であり、なぜ私たち政府はその議論に参加しないのか」と上院議員らに問いかけた。また「世界最大規模の貿易協定の地域的な包括的経済連携協定(RCEP)協定には、アドホック仲裁による紛争解決の章はない」と発言(注)。加えて「オーストラリアやニュージーランドも同メカニズムを批判している。両国がASEANと締結する協定では、これらの紛争解決メカニズムを適応外とするためにサイドレターを作成している」と付け加え、TPP11にISDS条項があることに疑問視する発言を行った。これらのことから、チリ政府は国際的な議論にチリも加わるという選択をし、それをサイドレターで実行しようとしている戦略と説明した。

さらに、TPP11によって新たに優遇される約3,000の関税品目は、製品にすると1,228製品で、そのうちの444製品に商業的機会があると説明し、TPP11による商業上の利点について誇張されている点を指摘した。

チリ政府は、同法案が上院本会議で可決されたとしても、政府が推進するサイドレターへの他の参加国の承認が得られるまで、同法案を批准しない方針を明らかにしている。

(注)RCEP協定では、投資家と国との間の投資紛争の解決の手続き(ISDS)については、発効時点では盛り込まれず、発効から2年以内に協議を開始し、協議開始から3年以内に結論を得るべく取り組むことと規定している(第10.18条)

(岡戸美澪)

(チリ)

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