展示会Photonics Days開催、浜松などの光産業企業が出展

(ドイツ、日本)

浜松発

2022年10月18日

光技術関連の展示会「Photonics Days外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」が1056日、ドイツ・ベルリン市で開催された。ドイツは大手光産業企業のカール・ツァイス本社が存在するなど、光産業が盛んな国。同展示会は学会と併設されていることが特徴で、参加者であるドイツ内外の光産業の研究者や大企業から中小企業まで幅広い関係者をつなぎ、イノベーションの創出を目的としている。

日本からはジェトロ浜松が取りまとめた日本企業4社〔TAKシステムイニシアティブ(浜松市)、浜松ホトニクス(同市)、ナノプロセス(同市)、中日クラフト(春日井市)〕が出展した。2021年度にも日本とのビジネス交流を予定していたものの、新型コロナウイルス感染拡大の影響によりオンラインでの交流にとどまった。ジェトロとしては、新型コロナ禍後初のミッション団としてリアルでのビジネス交流が実現した。

写真 展示会の外観(ジェトロ撮影)

展示会の外観(ジェトロ撮影)

ドイツの重要産業の展示会に日本企業が出展したことを受け、柳秀直・駐ドイツ日本大使が視察に訪れた。日本ブースでフラウンホーファー研究機構との連携や、医療・宇宙などの分野の光技術、ドイツとのビジネス状況について、出展者から説明があり、熱心に意見交換を行った。

写真 ジェトロブース出展企業と柳秀直大使との意見交換の様子(ジェトロ撮影)

ジェトロブース出展企業と柳秀直大使との意見交換の様子(ジェトロ撮影)

展示会に併設された学会では、高強度レーザーのシンポジウムで日本セッションが開催された。ジェトロ・ベルリン事務所の和爾俊樹所長は、ミッションがドイツ貿易・投資振興機関(GTAI)と2021年に立ち上げた「日独イノベーション・イニシアチブ160」(2021年12月23日記事参照)のフォローアップイベントとして位置付けられていると説明し、浜松の各社独自の光技術について紹介があった。

写真 和爾所長がドイツの光産業関連者に日独イノベーションの重要性を呼びかけ(ジェトロ撮影)

和爾所長がドイツの光産業関連者に日独イノベーションの重要性を呼びかけ(ジェトロ撮影)

展示会の開催地アドラースホーフ(ベルリン市南東部)は、光産業を含む約1,200社の企業をはじめ、スタートアップを対象とするインキュベーション(ビスタ・ビジネス・インキュベーター、フンボルト大学・スタートアップ・インキュベーターなど)や、支援機関(オプテック・ビービーなど)、研究機関(フラウンホーファー・セラミック技術・システム研究所の連絡オフィス、マックス・ボルン研究所など)、大学(フンボルト大学の自然科学系学部)、学生寮が集まるハイテク産業集積地だ。展示会主催者による視察ツアーが展示会前後に開催された。研究施設では最先端の光技術の実験が行われており、参加者はその内容や実験に使用される設備についての説明を熱心に聴いていた。

写真 視察ツアーの様子(ジェトロ撮影)

視察ツアーの様子(ジェトロ撮影)

リアルでの交流の再開を受け、光産業の中心地ドイツと浜松の今後の積極的な交流が期待される。

(田辺知樹、小菅宏幸)

(ドイツ、日本)

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